河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

リハ学会での発表

2014-06-07 | 研究・講演
学会2日目午後の『転倒・骨折』のセッションで下記発表を行った。
その後に行われた『バランス』のセッションではトヨタが開発した立ち乗り型バランス練習支援ロボットについての発表もあり、私が現在取り組んでいる研究は現在求められているテーマだと言うことが確認できた。


荷重立位周期的揺動運動における姿勢制御の解析

【目的】荷重立位での周期的揺動運動刺激に対する反応を計測して高齢者のバランス能力や筋機能を評価するシステムを開発するために、まず健常若年者の荷重立位周期的前後揺動刺激に対する姿勢制御について三次元動作解析を行い解析した。

【対象及び方法】対象は健常若年者10名(年齢:21.2±0.5歳、身長:166.4±8.5cm、体重:55.8±12.2kg)である。計測には三次元動作解析装置MAC3D System(Motion Analysis)と水平揺動装置を使用した。水平揺動装置は周期的に立位の被験者の足部を振れ幅8cmで前後に揺らす刺激を与えた。被験者を搭乗板の上に乗せ0.5rps(1秒当たりの回転数)、1.0 rps、1.5 rps、2.0 rps、2.5 rpsの5段階の速度で前後の揺動刺激を与えた。計測したマーカーの座標データを元にnMotion musculous Ver1.10を用いて逆運動学解析を行い、身体重心の軌跡を求めた。

【結果】揺動速度が0.5rpsの時の重心前後移動距離は5.68±1.00cmであり、1.0 rpsでは2.09±0.41 cm、1.5 rpsでは1.09±0.28 cm、2.0 rpsでは0.91±0.33 cm、2.5 rpsでは1.08±0.22 cmであった。揺動速度が増すにしたがって0.5 rpsから1.5 rpsまでは重心前後移動距離は有意に減少した。揺動速度が1.5 rps以上2.5 rpsまでは重心前後移動距離は約1cmでほぼ静止しており、有意な差は認められなかった。

【考察】揺動速度が1.0 rpsまでの低速では搭乗板の上で垂直方向に静止立位姿勢をそのまま保とうとするのに対し、揺動速度が1.5 rps以上の高速になると身体重心を定位置に保つような運動様式に変化したと考えられる。
コメント
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