高橋秀雄さまのノンフィクション。驚かされました。
高橋秀雄さまが一前宣正(いちぜんのぶまさ)さんに出会ったのは17年前。
この本は、農学博士で宇宮大学名誉教授の一前さんが、中国で「黄土高原の緑化」のために調査・活動してきたことが綴られています。
2000年前の漢の時代に森と草原がひろがっていた高原は、森林伐採など人間の営みで砂漠化してしまいました。
黄土高原に住む人々は、積もった黄土の山を垂直に削って掘った竪穴式住宅ヤオトンで暮らしています。
先祖代々から黄土や黄砂の中で暮らしてきた人々には、「黄土はどうにもならない」というあきらめが。
けれど、ごくごく貧しい黄土高原の人々の暮らしを少しでもよくしたいと、一前さんは調査活動を続けました。
鳥などの生き物もいない黄土高原の緑化のために、一前さんが目をつけたのは、「雑草」でした。
雑草は森の生態系ピラミッドの底辺にあるもの。
黄土で育つ雑草をみつけるために、二万種類もの雑草の種を輸入し、畑に植えて研究しました。
その結果、スイッチグラスとサジーという二種が適応でき黄砂の飛散を抑えることを見いだし、雑草による緑化を試験的に進めることに。
サジーは健康ジュースとして有名ですし、スイッチグラスはバイオエタノールの原料になります。
雑草で緑化した地に、次は葡萄やリンゴの木を植えて…
黄砂について、黄土高原について、そして砂漠化について。
この本を読むまで、まったく知りませんでした。
「知りたい、もっと知りたい」と、夢中で読みました。
読み終えて、雑草が、ほんとうに愛しく思えてきて。
ああ、これがノンフィクション作家の力なんだなと。
高橋秀雄さまの読ませる力、半端じゃないです。
そして、子どもたちだけでなく、大人にも読んでもらいたい!
本を読む醍醐味、最高でした。
高橋秀雄さま、ますますのご活躍を!
私ももっともっと書かなくちゃと思わされて。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)