イタリア在住の児童文学作家、佐藤まどかさまの新刊です。
ダンス?と思って読み出したら、とんでもない。
14歳の圭人は、両親は日本人だがローマのトラステーヴェレで生まれ育った。
父をひき逃げで亡くし、母とともに日本に帰ることに。
圭人はパンテオン神殿やベルニーニの噴水が好き。
古い建造物を見るとほっとし、その姿をスケッチする。
日本に帰っても、震災を免れた古い建物のスケッチを続ける。
そんなとき、建物にスプレーで芸術的な絵を描く子に出会う。
山中歩というその女の子の才能に圧倒され、彼女の芸術を軽犯罪になんてしたくないという使命感を持つ。
「法隆寺の五重塔の芯の構造はスネークダンス。蛇が蛇行するような耐震構造を持つ」と教えてもらい、宮大工の講演会に行くことに……。
歴史的建造物、これまでただただすごいなあと見るだけだったが、
この本を読んでしまったので、見方が変わりそう。
登場人物だけじゃなく佐藤まどかさまご自身の、
「芸術」「才能」の断片がキラキラと物語の中で光っている気がした。
先週末に開かれた季節風春研の懇親会で、まどかさまのお話を聞いた。
日本は子どもの教育費用が高すぎることや芸術のことなど、ひたすら拝聴していた。
この物語も、おそらくまどかさまの一部。
まだまだ引き出しがありそう。
佐藤まどかさま、ますますのご活躍を!
本の内容に圧倒されて呆然とするって、読書の醍醐味だな。
今日午後は療育センターリハビリ前診察。
本読みもしたいけれど病棟なのでもう少し我慢。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)