風になれ

大自然のふところで山歩きを楽しむ生活。
いつの日にか、森にそよぐ風になれたら・・

映画「死にゆく妻との旅路」

2016-02-14 | 健康


 Amazon Prime Videoで映画「死にゆく妻との旅路」(2011年公開)を観た。石田ゆり子さんのファンというわけではなく、ただ単に題名にひかれてポチした。
 石川県のある零細企業の経営者が知人の借金の保証人になって債務を負うはめになったり、バブル崩壊で事業が苦しくなり資金繰りにも行き詰まって多額の負債を負うことになったり、その上、妻に大腸癌が見つかる。癌手術後に夫婦二人で272日間、6,000km、車で逃避行のような旅に出る。旅の途中で妻の癌が再発しても旅を続けて、ついに亡くなる。旅を続けた行為が保護責任者遺棄致死に問われ、逮捕されるところで話は終わる。主人公の三浦友和さんの渋い演技も良かったし、日に日に衰弱する石田ゆり子さんが「ずっと一緒にいたい」と駄々をこねるシーンに胸が熱くなった。
 人生の長さは自由にならないけど、限られた日々、許された時間をどのように心豊かに過ごすかは個人の自由なのだから、司法の手が及ぶところではない気がした。ラストの保護責任者遺棄致死容疑には違和感を覚えたけど、単調な旅の映像と話の展開も映画の途中で飽きることはなかった。
 最期に二人きりの長い車の旅ができてよかった。これも一つの人生なのだ。