ヨーロッパでは動物を、人間と共に暮らし、共に歩む人生のパートナー、コンパニオンアニマルと考えるようだ。フランスでは犬や猫をアパート、ホテル、レストラン、カフェ、デパートに自由に連れて行くことができる。許されない場所は薬局と生鮮食料品店など限られている。
もちろんコンパニオンアニマルに対するしつけは厳しいはず。他人に迷惑をかけないように飼い主も動物もマナーを守っているから公共の場に出かけることが社会的に許容されているのだろう。
現代は人と人との心の通ったコミュニケーションが不足する社会だ。コンパニオンアニマルとの交情を通じて精神のバランスを保つ工夫が必要なのかもしれない。犬や猫などのコンパニオンアニマルが人の崩しがちな精神のバランスを正常に保つ働きをしてくれそうだ。
日本でも犬や猫がコンパニオンアニマルとして社会的にもっと温かい目で受け容れられて、公共の場にもっと広く連れて行ける日が来ることを期待している。そのためにも飼い主が他人に迷惑をかけないしつけを厳しくしなくてはと、しつけ半ばのハンナを見つめながら思う。