かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

竹富島・種子取祭の宇宙観

2018-10-27 05:06:01 | 日記

竹富島は、人口350人足らず、標高33m、周囲9kの小さな島である。こんな平らで、小さな島でも明和の大津波煮水没しなかったという。神々の力で島が浮き上がり島民を守ったのだという。

竹富島は、海に囲まれているが、海人(ウミンチュー)はほとんどおらず、畑人(ハルサー)の島なのだ。農(みのり)によって命がリレーされてきた小さな美しい島。

そこで、島民の子々孫々の繁栄を神々に祈る最大の神事として種子取祭が600年以上にわたり続けられている。島民の島民による島民のための奉納なのである。人口が少ないとはいえ、郷友会が、石垣、沖縄、東京、大阪などに組織され、多くの島の末裔たちがこの島にやってきてさまざまな芸能を凝らして神々に捧げる。

今や全国からも海外からも祭りの見物に訪れる無形文化財なのだが、舞台周囲は島関係者のみが立ち入れる指定席となっていて、いわば結界のように異界のモノたちを分けへだつ。決して差別ではなく、異界のわれわれは、言葉の意味さえ分らず、そのような竹富島民オリジナルの宇宙感を別の星で行われている出し物のように、ちょっぴりさみしく眺めている。

でも、1日じっくり場を共有できて、案内してくれた来年数え90歳になるという石垣島の大先輩に感謝。ビールやお弁当までご馳走になる。言葉も出ません。

 

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