早朝の報道番組で「氷花(しが)」という言葉と映像をはじめて見聞きした。茨城県大子町を流れる「久慈川」の川面を幾片もの板上の氷が流れていて、氷と氷が触れ合う音は金属音というよりも生きものと生き物が触れ合うような柔らかな音だった。
こんな美しい日本語があったのかと国語辞典や古語辞典、俳句の歳時記で調べても出てこなかった。氷のことを東北地方の方言で「すが」愛称で「すがこ」あるいは「しがこ」などと呼ぶので、東北に隣接した茨城北部のヒトも川に流れている氷を「しが」と呼んでいたのを、土地のみやびな知識人が「氷の花」と当て字したものだろう、と言葉の語源を推測する。(ちがったらごめん)
この「すが」であるが、氷のことを氷雨(ひさめ)や氷魚(ひお)ように「ひ」と音読みすることもあるが、むかしむかし、京からやって来た誰かが氷のことを「ひ」と呼んでいるのを聞いた東北人が「すぃ」となまったのだろう、と推測する。(ちがったらごめん)
ちなみに、東北で生まれ育ったオイラも氷が張ったことを「すがっこはった」と言ったり聞いたりした記憶がある。
連想ゲームではないが、「すがこ」の言葉から童謡「どじょつこふなっこ」を思い出した。早春に聞く童謡としてこの歌と「どこかで春が」は、幼少期に「幼稚園」や「小学〇〇年生」のこども向け雑誌で見て歌ったりしたので、いつまでも2月から3月になると耳の奥によみがえってくる。
今日は旧暦の7日、「人日」七草粥の日だ。まだまだ風が冷たいが、またハコベラや食べられそうな若菜を摘んできて、夕餉は粥にして酒の友としよう。
昨年「すがっこはった」広瀬川の水面。これが解けても「氷花」にはならないだろう。