シラネアオイ(シラネアオイ科)花言葉は、優美。一般に葵として詠まれるのは、中国原産の立葵の花をさす。1属1種の日本特産種はシラネアオイを指す。北海道と本州中部地方以北の主として日本海側の雪の深い深山に生える。根茎は肥厚くして横に這う。茎葉には柄があり、茎の上部に2枚が互生してつく。葉身は楕円形で長さ幅とも20cm程あり、掌状に中程までに7~11裂する。裂片の先端は鋭くとがり、ふちには鋭い鋸歯がある。表面の葉脈はくぼみ、両面とも毛がある。花は径7cmほどで、実に美しいが、花びらのように見えるのは、萼片である。萼片は広卵形で淡紅色をしており、花弁はない。花の中には多数の雄蕊と2個の雌蕊は下部でくっいていおり、これが実ると、方形をした袋状の果実が内側で合着した形になる。この果実のなかには翼のある倒卵形の種子が入つている。種子は翼を含めて長さ1cmほどである。和名は日光の白根山に多く、花が立葵に似ていることによる。「明星に影立ちすくむ葵かな 一 茶」「蝶低し葵の花の低ければ 富安風生」「こころ足る日は遠出せず花葵 福永耕ニ」「厠より雀とび翔つ銭葵 皆川盤水」「夕刊のあとにゆふぐれ立葵 友岡子郷」シラネアオイを詠んだ句は見当たらない。(特産の シラネアオイは 日本一 ケイスケ)