バラ(バラ科)花言葉は、愛。西洋薔薇;花薔薇。バラ科バラ属。豊麗で香折り高い花を咲かせる西洋薔薇をさす。切花として年中、栽培されるが花時は本来、初夏五月。花の色も形もとりどりだが、薔薇色といえば薄紅。幹や枝に鋭い刺がある。江戸時代の園芸書には「老座」の名がみえ、当時すでに日本に渡来していた。『古今集』『源氏物語』に「さうび」とあるのは中国伝来の庚申薔薇である。「ばら」は刺のある草木をさす「いばら」「ばら」の転訛。これを「薔薇ン」の漢字を当てた。「薔薇園一夫多妻の場をもふ 飯田蛇忽」「薔薇の坂にきくは浦上の鐘ならず 水原秋櫻子」「バラ散るや己がくれし音の中 中村汀女」「手の薔薇に蜂来れば我王の如し 中村草田男」「薔薇の辺やこたびも母を捨つるがに 石田波郷」「薔薇に付け還暦の鼻うごめかあるはれた日に石階を登り第二の薔薇園 橋本美代子」「久女にはなれず薔薇咲き薔薇枕 鈴木栄子」「乏く薔薇に茎のありけり深空かな 正木ゆう子」「讃美歌のここにて消ゆる薔薇館 源」鬼彦」「薔薇園の薔薇生前と雑然と 須佐薫子」「バラ園のホースの水を天に放つ 栗田やすし」「人憎むかに薔薇は色深めたる 阪本謙二」{薔薇の門くぐりて海へ近づきぬ 中嶋秀子」「帆柱を集めし空も薔薇の季 大崖水一路」「薔薇満開一夫一妻つまらなし 高仙夏子」「花びらの薔薇のかたちを守りけり 津路美代子」「まつさ先に黄色の薔薇が咲き揃ひ 加藤あけみ」「坂急になりて抱きし薔薇香る 大高 翔。(薔薇咲いて庭の盆栽美しき 謙治。紺色の夜となり港夏に入る 小野瑞枝)