昨日、予定よりかなり遅い時間に会社から出てしまい、少し躊躇したが、温泉に母を連れていくことにした。今日だと土曜日で混んでいるかもしれないから。
5時半頃の温泉は思っていた以上に人がいなくて、湯殿に入っていると母が
「あぁ、いいねぇ。このくらいだと温泉に入ってるって気分になるねぇ」と、気持ち良さそうに言った。
「そうだねぇ。ここにゴロゴロとたくさんの人の顔が見えると銭湯に入った気がして落ち着かないものねぇ」
と答えた。
温泉の中では有線放送がいつも入っていて、ジャンルはちょっと昔の歌謡曲?って感じかな。
ちょうどそのときにかかっていたのは、五輪真弓の『恋人よ』だった。一番の途中でわたしが曲に合わせて鼻歌を歌っていたら、母が思いだしたように言った。
「淡谷のり子は絶対人を褒めなかったけど、この人だけは違っていたねぇ。この人は上手い!って褒めていたよ」
「そうだったんだ。〈あなたやめたほうがいいわよ〉」って、少し淡谷のり子を思い出して言ってみた。
すると母が右手の人差し指を自分の鼻に押し当てて、
「そういえば、この人にはいつも止めなさい!って言ってたなあ」と言った。
その仕草で清水アキラのことだとピンときたわたしは母の仕草に大笑い。
母が可笑しそうな顔で
「それにしても、お前がこんなに物まねが下手だったとは知らなかったよ」と笑った。
「えっ、そんなに淡谷のり子に似てなかった? 下手? 下手?」
「全然似てないよ。それにしても物まねが下手すぎる!」
「えー、幼稚園児よりも下手あ?」
「んだ!」
湯殿の中で母とわたしが大笑い。
笑った後で、お客様が少なくて良かったと胸をなでおろしたわたしだった。
5時半頃の温泉は思っていた以上に人がいなくて、湯殿に入っていると母が
「あぁ、いいねぇ。このくらいだと温泉に入ってるって気分になるねぇ」と、気持ち良さそうに言った。
「そうだねぇ。ここにゴロゴロとたくさんの人の顔が見えると銭湯に入った気がして落ち着かないものねぇ」
と答えた。
温泉の中では有線放送がいつも入っていて、ジャンルはちょっと昔の歌謡曲?って感じかな。
ちょうどそのときにかかっていたのは、五輪真弓の『恋人よ』だった。一番の途中でわたしが曲に合わせて鼻歌を歌っていたら、母が思いだしたように言った。
「淡谷のり子は絶対人を褒めなかったけど、この人だけは違っていたねぇ。この人は上手い!って褒めていたよ」
「そうだったんだ。〈あなたやめたほうがいいわよ〉」って、少し淡谷のり子を思い出して言ってみた。
すると母が右手の人差し指を自分の鼻に押し当てて、
「そういえば、この人にはいつも止めなさい!って言ってたなあ」と言った。
その仕草で清水アキラのことだとピンときたわたしは母の仕草に大笑い。
母が可笑しそうな顔で
「それにしても、お前がこんなに物まねが下手だったとは知らなかったよ」と笑った。
「えっ、そんなに淡谷のり子に似てなかった? 下手? 下手?」
「全然似てないよ。それにしても物まねが下手すぎる!」
「えー、幼稚園児よりも下手あ?」
「んだ!」
湯殿の中で母とわたしが大笑い。
笑った後で、お客様が少なくて良かったと胸をなでおろしたわたしだった。