渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

峰隆一郎『土方歳三 (一) 試斬』を読む

2020年09月07日 | open
 
 
「そこはつるんとしていた」の遺作を
久しぶりに読もうかと思う。
1995年、初版。書下ろし作品。
この作品を執筆中に峰先生は亡くなった。
そのため、この小説は3巻までの刊行で、
未完の遺作となった。
 
ダンディ峰(見た目がもう平手御酒あたり
のニヒルな剣客みたい。杉並中野あたり
でよく飲んでいた酒豪でもある)の小説
単にエロいのではない。物語が本格
リアル
描写なのである。
刀で「白研ぎ」を登場させる時代小説な
どは峰先生が初めてではなかろうか。
他のほぼ全員の小説家などは日本刀につい
ても知識と知見に乏しくお寒い限りである
のが現実なのだ。
そして、峰先生の作品は物語自体が「読ま
せる」の作品なのだ。コアなファンは多い。
早乙女貢や津本陽のファン以上に熱烈な
ファンがいるのではなかろうか。私もその
一人である。
 
剣豪小説だけでなく、峰作品は推理小説も
かなり面白い。
これなんて、おすすめ。
(1996年、初版)


展開は、そうか!そうなのか?!みたい
な。
あらゆる描写もリアルなのだが、そこは
それ、
つるんとしている。ワンシーンの
描写は長いがくどくない。
それは峰先生の好みだろう。
文章は簡潔で句点が多い。
一つの表現の定式を築いた作家であると
いえる。
『傭兵代理店』の作者渡辺裕之などは、
かなり峰隆一郎作品の影響を受けたこと
が文体から窺える。
 
峰先生の作品は、推理小説もかなりおすす
めです。
デビューは私が大学1年の時、48才で
遅咲きデビューだった。そして、68才
まで
の20年間、書くか飲むか寝るかの人
だっ
た。短期間なのに多作。
そして、68才で先生は生涯を閉じた。

メタルファイアスターターの注意点!

2020年09月07日 | open


メタルファイアスターターによる点火着火
とプレファイア作りの自主トレをしまし
た。
これから毎日10回ずつ蒲鉾板に着火させ
ていたら、そのうち何とかサマになって
くるだろう、と。確たる勘所を得て。
剣技のように。
こういうのって、教えて貰ったから出来る
ようになるのではなく、自分で会得しない
とならないジャンルなので。
研ぎもそうだし、武術もスポーツもそう。
ボウリングでも、最初から300点パーフェ
トを出す人は、地球上には一人もいない
思います。
技術系はすべて実践の積み重ねしかない。

着火したら、いきなり良い炎になりまし
た。これは、この個体のフェザーが良かっ
たからでしょう。
メタルファイアは一にストライカー、二に
フェザーです。その定理は私は見えまし
た。ストライカー次第で、100均のメタル
でもいとも簡単に着火できます。




置いておいても先のほうにも着火して、
勢いのある炎に。これはもう火口という
より最初の焚き木として使えます。
持ち上げたら全体が燃え盛るでしょう。
フェザー作りがいかにプレファイア作り
には重要か。
さらに炎を育てるには、焚き木の置き方
やくべ方も大きく関与して来ます。


こちらのフェザーは今一つ。




このフェザーはどうでしょう。


良い。


単発フェザーは着火性は良くとも、火が
炎にはなりません。
やはり、ウッドフェザーは細かく薄い羽
から徐々に太い羽に燃え移るようなフェ
ザーをナイフで作るのが良いようです。
そして、火を炎にするためにはシャグマ
のような細かいモジャモジャにする。
まだまだ研究しないと、自分の中での
方式が確たるものになりません。

なお、稽古では、マグネシウム粉をふり
かけることは一切していません。
火花から木材にいきなり直接点火です。

さて、ここから、大変重要な事を書きま
す。

ほとんどネットや書籍では書かれていない
重大な事に気づきました。
メタルファイアスターターで点火をする
時には、絶対にスパークを見つめてはいけ
ません。溶接の火を見てはいけないのと
同じで、メタルファイアスターターの火花
は3000℃にも達する火花ですので、見続
けると白内障になったり、失明したりする
可能性があります。危険。
この事について、注意喚起をしている人を
殆ど見ませんが、あのスパークを見つめる
ことはとても危険です。
私は目を瞑るか横を見るようにしていま
す。
鍛冶の世界でも炉の炎は見続けません。
「目を獲られる」といって、やがては失明
してしまうからです。
メタルファイアスターターは意外な落とし
穴があります。
決して点火の際に、マグネシウムの火花
を見つめる事はしないようにしてくださ
い。




台風一過

2020年09月07日 | open
本日、晴れ。


魚を狙って飛んでいる。




ここは川というより、どう見ても海。
というか、海を無理やり川にした。
なので、ここから10数キロ上流まで
潮が逆流して満ちる。
川の形にしても、潮位まではいじれな
い。


錆びやすい鋼

2020年09月07日 | open


中華大陸製の彫刻刀、少し使わないと
もうサッビサビのさびりんこだ。

研磨して錆を落とすことにしたが、酸化
第二鉄がマダラに侵食を開始している。
チンキン錆が広域化したような錆で、非常
に宜しくない。悪性の錆だ。


よく切れるのだが、鋼の質性は良くない
なあ。中国製の現時点での限界か。
銃弾の発射薬とか、火薬はいいの作るのだ
けどなあ。ゴムなどの重化学工業製品と
か金属とか、中国はまだまだ旧西側先進国
には及ばないですね。日米独には。
中華料理は北京も四川も広東も最高なん
だけどなあ。
まあ、突き抜けた日本の鋼と比べたら、
世界中どの国の鋼も可愛そうなんだけど
さ。
鋼の良質性で日本製に真っ向から対抗で
きる国は、スウェーデンとドイツだけな
のだから。


左3本の角、丸、浅丸以外は錆切りをした。
昨日は湿気が半端ないので、日本刀はいじ
らないようにした。


刃味のテスト。切り試しをしながら刃先は
仕上げて行く。