く~にゃん雑記帳

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<レブンソウ(礼文草)> 北海道の最北端・礼文島に咲く日本固有種

2016年06月22日 | 花の四季

【オヤマノエンドウ属の多年草、環境省は絶滅危惧種に指定】

 北海道の最北端、礼文島に自生するマメ科オヤマノエンドウ属の多年草。海からの強風をまともに受ける〝風衝草原〟と呼ばれる草地や礫地に生え、初夏、花茎1本につき10個前後の紅紫色の花を付ける。草丈は10~25cmほど。マメ科特有の蝶形花(ちょうけいか)で、葉(奇数羽状複葉)は小葉が葉先に1枚、左右に10枚前後ずつ整然と並ぶ。(写真は愛知県尾張旭市のS・Eさん提供。6月19日に礼文島の桃岩展望台コースで撮影)

 礼文島は花の島として知られる。島の西側に連なる高さ100~200mの断崖上を中心に様々な高山植物が自生する。とりわけ南西側の「桃岩付近一帯の野生植物」は北海道の天然記念物に指定されている。礼文島にはレブンソウをはじめ「レブン(礼文)」と冠された植物が多い。レブンウスユキソウ(薄雪草)、レブンキンバイソウ(金梅草)、レブンシオガマ(塩竈)、レブンコザクラ(小桜、サクラソウ科)……。他にもフタナミソウ(二並草)などの固有種がある。

 オヤマノエンドウ属で本州で見られるのは中部山岳地域などに自生するオヤマノエンドウの1種だけだが、北海道には同属の植物が多く分布する。マシケゲンゲ(増毛紫雲英)は増毛山系暑寒別岳に自生し、ヒダカゲンゲやヒダカミヤマノエンドウは日高山系北部で見られる。他に花色が黄白色のリシリ(利尻)ゲンゲ、エゾ(蝦夷)オヤマノエンドウなど。属名は山に生えるエンドウを意味するが、オヤマノエンドウ属は同じマメ科でも一年草のエンドウ属とは分類上異なる。 

 レブンソウは園芸目的による乱獲で絶滅が懸念されており、環境省は近い将来に絶滅の危険性が高いとして絶滅危惧1B類に登録している。また北海道も条例でフタナミソウやウルップソウ(得撫草)とともに希少野生植物に指定。無許可で採取されたものを所持したり譲り渡したりした場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金という厳しい罰則規定を設けている。(下の写真は4月24日、京都府立植物園で撮影)

  

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