【宮崎県日南市「道の駅なんごう」で販売、原産地は西アフリカ】
日南海岸国定公園の日向灘を望む国道448号沿いの「道の駅なんごう」(宮崎県日南市南郷町)。ここで実に不思議な果物が売られているという。その名は「ミラクルフルーツ」。店内に入ると、直径6cmほどのプラスチック容器の中に数粒ずつ〝鎮座〟していた。1粒は長さ2~3cmほどの楕円形で、見た目はドングリ(コナラ)を真っ赤にしたような感じ。容器の裏には「税込み250円」とあった。
商品棚の下には「奇跡のくだもの 甘~い味に変身させます」という説明書き。それによると、ミラクルフルーツには「ミラクリン」と呼ばれる糖たんぱく質が含まれ、その成分の働きでレモンのような酸っぱい果実が甘い味に変わるという。その不思議体験の方法も箇条書きになっていた。宮崎特産の完熟マンゴなどに比べると存在感は足元にも及ばない。だが、ミラクルフルーツは名前の通り、他の果物にない神秘なパワーを秘めているようだ。「土産話の種に1つ買ってみようか」
「道の駅」に案内してくれたドライバーがミラクルフルーツの〝ミラクルぶり〟を確かめてもらおうと、途中で食品スーパーに立ち寄ってレモンを買ってきた。まず輪切りしたレモンの身を少し食べる。酸っぱいのはいつもの通り。その後ミラクルフルーツを1粒口に入れ、皮を破り舌の上で2分間ほど転がす。そして種を出し、再びレモンを口にすると――。あら、不思議! レモンの身はもちろん皮まで甘く丸ごと食べることができた。
味覚の持続効果には個人差があり、30分から2時間ほど続くという。説明書きには「レモン以外にイチゴ、トマト、ヨーグルトでも使えます」とあった。ミラクルフルーツの原産地は西アフリカ。アカテツ科の熱帯性常緑低木で、国内でも南郷町などで栽培されている。ただ成長が遅いうえ結実もなかなか容易ではないそうだ。ミラクリンはノンカロリーの甘味として注目を集めており、いずれダイエット食品などに活用される日が来るかもしれない。