【岩場に生えることから「イワゼキショウ」の別名も】
チシマゼキショウ科チシマゼキショウ属の日本固有種で、本州の関東以西から四国、九州にかけて山地の湿った岩場に自生する。別名「イワゼキショウ(岩石菖)」。ハナゼキショウの名前は根元から生える剣状の細長い葉の姿形がセキショウに似ていることと、花が清楚で美しいことによる。
花期は7~8月頃。高さ15~30cmほどの花茎を伸ばし、総状花序に小さな白い花をいくつも付ける。花被片は線状の長楕円形で、6枚の花被が線香花火のように放射状に広がる。学名は「Tofieldia nuda」。属名の「トフィールディア」は18世紀の英国の植物学者トーマス・トフィールド氏(1730~79)の名前に因み、種小名「ヌーダ」は「裸の」を意味する。
山野草の愛好家に人気があり、鉢植えとして栽培する人も結構多い。今のところ環境省のレッドリストには掲載されていないが、都道府県段階では長野、石川、愛知、和歌山、京都など中部、近畿地方を中心に絶滅危惧種に指定しているところも多い。なお、セキショウはショウブ科ショウブ属、北米原産の帰化植物ニワゼキショウはアヤメ科ニワゼキショウ属。同じ仲間のようにセキショウの名前が付いていても、分類上はそれぞれ全く異なっている。