【旧市と春木の2地区で3年ぶり通常開催】
大阪南部の泉州地域に、だんじり祭りの季節がやってきた。劈頭(へきとう)を飾るのは「岸和田だんじり祭」の岸和田旧市地区と春木地区。9月17日の宵宮には2地区合わせて34台のだんじりが曳き回され、交差点で豪快な“やりまわし”を披露した。通常開催は3年ぶり。新型コロナ禍の影響で一昨年は中止、昨年は規模を縮小しての無観客となっていた。2地区では本宮の18日、だんじりの宮入りが行われる。
春木地区のだんじりは12台。宵宮の17日には早朝の“曳き出し”に続いて、午前9時半から“パレード”が繰り広げられた。会場は南海本線春木駅の北側にあるショッピングモール「ラパーク岸和田」前。纏(まとい)を先頭に太くて長い2本の綱に曳かれただんじりが、10分ほどの間隔で次々に登場した。1番だんじりは春木宮本町。これに春木中町、大道町、戎町、磯之上町……と続いた。
会場では1台ずつだんじりが紹介された後、正面に乗り込んだ役員たちに花束が贈られたり、クラッカーの紙吹雪が舞う中、青年団長が胴上げされたりした。上空には大量の風船も。祭りを盛り上げようとそれぞれ趣向を凝らしていた。巨大な大漁旗を掲げる町会があれば、赤や黄など派手な衣装に身を包みひときわ目を引く町会もあった。
式典の後、各だんじりはラパーク前から旧国道26号線を左折する春木若松町の交差点でやりまわしを披露した。だんじりは高さが約4mで、重さは4トンもある。鳴り物の太鼓・鉦・笛のお囃子に乗って、そのだんじりがスピードを落とさずに直角に曲がっていく。周辺はそのやりまわしを見ようと多くの観客であふれ返った。
屋根の上で団扇を手に軽やかに舞う「大工方(だいくがた)」や、だんじりの方向をコントロールする「前梃子(てこ)」「後梃子」たちにとっても最大の腕の見せどころだ。前日の試験曳きもあって、次々に見事なやりまわしを見せてくれた。ただ中には綱を一斉に曳く呼吸が合わなかったのか、交差点前でいったんストップし、だんじりを後退させて再度やり直すところも。
各だんじりはパレードの後、市街地を巡り春木駅前や祭礼年番本部前などでもやりまわしを披露した。スピード感は予想以上。だんじりの後ろ側で転ぶ法被姿の男性がいた。見物中に何度も救急車のサイレンが鳴り響いたのも気がかりだった。曳行されるだんじりは普通の早足ではとても付いていけない。法被姿の年配の男性は遠ざかるだんじりを見ながら「付いていかれへん」とぼやいていた。だんじりが休憩中の他のだんじりの横を通るときにはエール交換する場面も見られた。
本宮の18日には春木地区のだんじり12台が泉州一といわれる弥栄神社の大鳥居を潜って宮入りする。これに先駆け午前7時からは“番外1番”として「春木南」の宮入りもある。春木南は参加している岸和田旧市地区のだんじり22台の中で唯一弥栄神社を氏神としているため(旧市の残り21台の宮入りは岸城神社または岸和田天神宮)。夜間には宵宮同様、だんじりの提灯に灯がともって灯入り曳行される。
岸和田だんじり祭は旧市・春木地区に続き、10月にも国道26号から南側の市の中・南部地域で開かれる。宵宮が8日、本宮が9日で、東岸和田、南掃守(みなみはもり)、八木、山直(やまだい)、山直南、山滝の6地区で合わせて40台を超えるだんじりが参加する予定だ。