【華麗な花序を仏像の装身具「瓔珞」に見立て】
マメ科ヨウラクボク属の1属1種の熱帯常緑花木で、原産地のミャンマーでは高さが10~15mにもなる。垂れ下がる花序は長さが60~90㎝もあって、マメ科植物の中では最長。その花序に艶やかな朱色の5弁花を多数付ける。上側の花弁には黄色い縞模様が入り、花の中心から1本の雌しべと複数の雄しべが勢いよく飛び出し反り返る。
和名は下垂する華麗な花序を、仏像の首飾りなどの装身具や仏堂・仏壇の荘厳具として用いられる「瓔珞(ようらく)」に見立てて名付けられた。英名では優美な花姿から「Pride of Burma(ビルマの誇り)」や「Queen of Flowering Tree(花木の女王)」と呼ばれている。
学名は「Amherstia nobilis(アマースティア・ノビリス)」。属名は19世紀のベンガル(インド)総督の夫人で、博物学者だった英国人サラ・アマーストへの献名。種小名は「気高い」を意味する。アマースト夫人の名前はキジ科の鳥ギンケイ(銀鶏)にも残されている。ギンケイの英名は「Lady Amherst’s Pheasant(レディ・アマーストの雉)」で、学名(種小名)もアマースト夫人の名前に由来する。