【舌状花も内側の筒状花も明るい黄色】
南アフリカ・ケープ地方原産のキク科ワタゲハナグルマ属(アークトセカ属)の多年草。4~9月頃、花茎の先に直径4~7㎝の明るい黄花を一つ付ける。草丈は20~40㎝。花も葉も一見タンポポの花によく似るが、舌状花のみのタンポポと違って舌状花の内側に筒状花があり、花もタンポポより一回り大きいといった違いがある。
葉はロゼット状に広がり、葉裏には白い綿毛が密生する。繁殖力旺盛で、花後にランナー(匍匐枝)が地表を這い、節から根を出して広がる。ハナグルマは明治末期に渡来し「花車」と呼ばれていたガーベラのこと。和名はその花姿が似ていることなどから「綿毛蔓花車」と名付けられた。学名は「Arctotheca prostrata(アークトセカ・プロストラタ)」。種小名プロストラタはラテン語で「平伏の」や「地を這う」を意味する。
よく似た植物に属名にもなっているワタゲハナグルマがある。学名は「A.calendula(カレンデュラ)」。同じ南アフリカ原産で繁殖力も強く、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアなどに帰化し、日本でも分布域を次第に広げている。花径は5㎝前後。ワタゲツルハナグルマが筒状花、舌状花とも鮮やかな黄色なのに対し、こちらは中心部の筒状花が暗紫色という特徴を持つ。