図:糖質の多い食事は血糖を高め、インスリン/インスリン様成長因子-1(IGF-1)受容体のチロシンキナーゼ・ドメインのチロシン残基のリン酸化を介して(①)、PI3キナーゼ(PI-3K)/Akt/ mTORC1シグナル伝達系(②)を活性化し、栄養素取込みやエネルギー産生、細胞分裂・増殖、細胞生存などを亢進して(③)、がん細胞の増殖を促進する(④)。2-デオキシ-D-グルコース(2-DG;⑤)が細胞内 . . . 本文を読む
図:インスリン様成長因子-1(IGF-1)はIGF-1受容体(IGF-1R)に結合すると(①と②)、PI3キナーゼ(PI3K)というリン酸化酵素が活性化される(③)。PI3Kは細胞膜の構成成分であるイノシトールリン脂質をリン酸化する酵素でp80とp110の2つのサブユニットから構成されている。PI3Kはホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PIP2)の3位のOHをリン酸化してホスファチジルイ . . . 本文を読む
図:がん細胞ではグルコースの取り込みと解糖系での代謝が亢進し、乳酸と水素イオン(H+)が増え(①)、水素イオンはV型ATPアーゼ(V-ATPase)で細胞外に排出され(②)、がん細胞外に水素イオンが貯留して酸性化している(③)。がん細胞では低酸素誘導因子-1(HIF-1)の発現と活性が亢進してピルビン酸脱水素酵素キナーゼの発現を誘導し(④)、ピルビン酸脱水素酵素の活性を阻害している(⑤)。その結果 . . . 本文を読む
図:がん細胞はグルコースの取り込みと解糖系が亢進し(①)、乳酸産生が亢進している(②)。さらにペントース・リン酸経路が亢進し、核酸やアミノ酸や脂肪酸やNADPHの合成が亢進している(③)。ミトコンドリアでの酸化的リン酸化は抑制されている(④)。発酵小麦胚芽エキスに含まれる2,6-ジメトキシベンゾキノンはグルコースの取り込みと解糖系と乳酸産生を阻害し(⑤)、ペントースリン酸経路を阻害して、物質合成と . . . 本文を読む
図:大腸内には多数の腸内細菌が存在し(①)、その量や組成が免疫チェックポイント阻害剤(②)などの免疫療法の抗腫瘍効果に影響する。一部の腸内細菌が産生するイノシン(③)がチェックポイント阻害剤の応答率を高めることが報告されている(④)。
846)腸内細菌が産生するイノシンが免疫チェックポイント阻害剤の効き目を高める
【腸内細菌叢の組成は個々人で大きく異なる】人間の腸内には、種類にしておよそ1,0 . . . 本文を読む
図:動脈の内面を覆う血管内皮細胞(①)の中で、様々な刺激で一酸化窒素(NO)合成酵素(NOS)が活性化され、L-アルギニンからNO(一酸化窒素)が生成される(②)。内皮細胞で生成されたNOは血管平滑筋細胞内のグアニル酸シクラーゼを活性化し(③)、サイクリックGMP(cGMP)を生成する(④)。cGMPはcGMP依存性プロテインキナーゼ(プロテインキナーゼG)を活性化し(⑤)、タンパク質リン酸化や細 . . . 本文を読む
図:ヘルパーT前駆細胞(①)はサイトカインのIL-12によって1型ヘルパーT細胞(Th1)に分化誘導され(②)、Th1細胞はIL-2やIFN-γの産生を亢進し(③)、キラーT細胞の活性を高めてがん細胞に対する細胞性免疫を増強する(④)。ピドチモドは樹状細胞の成熟とIL-12産生を促進して(⑤)、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)を活性化する(⑥)。セレコキシブはTh1細胞の活性を高める( . . . 本文を読む
図:寄生虫治療薬のメベンダゾール、イベルメクチン、ニクロサミドはがん細胞で異常を起こしているシグナル伝達系(PI3K/Akt/mTORC1, Wnt/β-カテニン, Hedgehog, PAK-1, NF-κB, STAT3など)を阻害し、微小管脱重合や血管新生やP-糖タンパク質を阻害して抗腫瘍効果を発揮する。3種類の駆虫薬を併用すると相乗的な抗腫瘍効果を発揮する。
843 . . . 本文を読む
図:大腸粘膜上皮の杯細胞(①)からムチン(②)が分泌され、粘液層(③)を作る。腸内細菌のアッカーマンシア・ムシニフィラ(④)はムチン分泌を刺激して粘液層を増やし粘膜バリアを強化する。水溶性食物繊維(⑤)、ドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)のオメガ3系多価不飽和脂肪酸(⑥)、植物ポリフェノールの多いクランベリーなどのベリー類(⑦)、メラトニン(⑧)、ケトン食(⑨)、メトホル . . . 本文を読む
図:大腸内には多数の腸内細菌が存在し(①)、その量や組成が免疫チェックポイント阻害剤(②)などの免疫療法の抗腫瘍効果に影響する(③)。腸内細菌叢中にアッカーマンシア・ムシニフィラが多いとチェックポイント阻害剤の応答率を高めることが明らかになっている(④)。
841) アッカーマンシア・ムシニフィラの抗がん作用(その2):免疫チェックポイント阻害剤の応答率を高める
【若い個体の腸内細菌叢を高齢個 . . . 本文を読む
図:正常な大腸粘膜では粘液層(①)が厚く、善玉菌(②)が多く、分泌型IgAや酪酸の量が多い(③)。抗がん剤や放射線照射(④)は腸内細菌叢の変化を起こして悪玉菌が増える(⑤)。粘液層が破壊されて粘膜バリアが破綻し(⑥)、腸管内の病原菌が体内に侵入し(⑦)、粘膜炎や敗血症や全身感染症を引き起こす(⑧)。腸内細菌の一種のアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)は大 . . . 本文を読む
図:デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)は様々な組織・臓器において多彩な抗老化作用を発揮する。
839)デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)の抗老化・寿命延長作用
【デヒドロエピアンドロステロンは性ホルモンの前駆物質】私たちの体内では、様々なホルモンが生理機能を調節しています。ホルモンというのは、体内において特定の器官で合成・分泌され、血液など体液を通して体内を循環し、別の決まった細胞 . . . 本文を読む
図:がん細胞はPD-L1の発現(①)が亢進しており、産生されたPD-L1は細胞表面に移行し(②)、T細胞のPD-1と結合して(③)、活性化した細胞傷害性T細胞の細胞死を誘導する(④)。PD-L1はユビキチン化されて(⑤)、プロテアソームで分解されている(⑥)。COP9シグナルソーム 5 (CSN5) はPD-L1に結合したユビキチンを外す作用があり、PD-L1のプロテアソームでの分解を阻止する(⑦ . . . 本文を読む
図: 酸化ストレスは変異タンパク質を増やして小胞体ストレスを亢進する(①)。2-デオキシグルコースは糖鎖異常の糖タンパク質を増やして小胞体ストレスを誘導する(②)。これに対して、ユビキチン・プロテアソーム系(③)とオートファジー・リソソーム系(④)で異常タンパク質を分解することによって小胞体ストレスを軽減する。ジスルフィラムはユビキチン・プロテアソオーム系を阻害し(⑤)、活性酸素の産生を増やして酸 . . . 本文を読む
図:魚油に多く含まれるドコサヘキサエン酸(①)は炭素数が22個で二重結合が6個のオメガ3系多価不飽和脂肪酸。ドコサヘキサエン酸(DHA)は魚が作っているのではなく、微細藻類が産生している(②)。DHAは食物連鎖で魚に蓄積し、それを人間が食べてDHAを摂取している(③)。DHAには、がんの発生・再発予防、がん治療の副作用・抗腫瘍効果増強、がん細胞の増殖抑制・細胞死誘導、抗炎症作用、悪液質改善作用など . . . 本文を読む