私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

己佐知佐知<オノガサチサチ>

2019-01-16 09:50:42 | 日記
 なれない漁師の仕事をして、あげくの果てには、弟「山佐知毘古<ママサチヒト>」は兄の鉤(釣り針)さへ海の中でなくしてしまいます。そうこうしている時、兄「火照命」は弟「火遠理命」に自分の交換した鉤を返して欲しいと言います。

         “乞其鉤曰<ソノハリヲ コイテ イハク>”

         “山佐知毋己佐知佐知。海佐知毋己佐知佐知”
      <ヤマサチモ オノガサチサチ。ウミサチモ オノガサチサチ>”

 と。
 さて、これをどう解釈したらいいと思われますか????
 ある人は、これを火照命が火遠理命に呼びかけた歌だとしておりますか、どうでしょうか。むしろ、これは兄が弟に呼びかけた言葉ではないかと思うのですが・・・・

 「どうだ。やっぱり山で使う道具は道具だけの事があるだろう、また、海で使う道具は道具だ。それぞれの役目があり、それを夫々に上手に使ってこそ、その道具の使命が道具として生きるのだ。使い慣れた者がそれを使ってこそ道具の命が生きるのだ。」

 と言うぐらいの意味になるのではと、私は解釈しています。
 また、「佐知佐知」と繰り返しているのは、それくらい「佐知」即ち、「大切な道具だ」と言うことを強調している事を表すために使った文法上の古代の表現方法かと思いますが???