私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

“今各謂返佐知之時”

2019-01-17 09:51:09 | 日記
   <イマハ オノオノ サチ カエサムト イフトキニ>

 と読んでおります。夫々の使った「佐知」道具をです。元通りに返そうと謂うのです。すると、火遠理命が言います。

             “遂失海”

「兄さん。兄さん。あなたから借りていた釣り針で、海にいる魚を釣ろうとしたのですが、結局、一匹も釣り上げる事ができませんでした。その上、悪いことにお借りしていた鉤まで海の中に失ってしまったのです。

 と。
 でも、兄は

             “強乞徴”
              <アナガチニ コヒ ハタリキ>

 します。
 この「徴」について、宣長は“波多理伎<ハタリキ>と訓べし”としてあり、広辞苑には「はたる」は「徴る。債る」で、その意味は「徴収する」とあり、その例として、神代紀上に
   「科(おお)するに千座置戸を以てして遂に促(せ)め徴(はた)る」
 と。

 要するに、執拗に、どうしても貸した「鉤を返せ」と謂うのです。でも手元に「鉤」はありませんどうすれば・・・・