“乞欲得水”「どうぞ私にその水をください。」
と、火遠理命はその女性に頼みます。すると、女性は、てっきり、その壮夫<「遠登古<オトコ>」が水を飲むものだと考えて、持ってきた玉器に、なみなみと水を汲んで差し上げます。しかし、差しだされた器を取るとその男性は
“爾不飲水。解御頸之嶼。口含。唾入其玉器”
「すなわち、水を飲まず、御頸の璵<タマ>を解き、口に含み、その玉器<タマモヒ>に
唾入れたまふ」
のです。この璵<タマ>ですが、どのような物だったか説明がありませんが、勾玉類の物ではと私は思っております。なお、青木繁の絵では火遠理命の御頸にあるのは勾玉です。
その玉器を受け取った従婢<マカタチ>は
「何て汚い事を」
と思ったのでしょう、替えされた玉器の中にある璵<タマ>を取ろうとしますが、器の中にくっついていくら引っ張っても取り出せません。仕方がありませんから、そのまま豊玉毘売の所に持って帰ります。
と、火遠理命はその女性に頼みます。すると、女性は、てっきり、その壮夫<「遠登古<オトコ>」が水を飲むものだと考えて、持ってきた玉器に、なみなみと水を汲んで差し上げます。しかし、差しだされた器を取るとその男性は
“爾不飲水。解御頸之嶼。口含。唾入其玉器”
「すなわち、水を飲まず、御頸の璵<タマ>を解き、口に含み、その玉器<タマモヒ>に
唾入れたまふ」
のです。この璵<タマ>ですが、どのような物だったか説明がありませんが、勾玉類の物ではと私は思っております。なお、青木繁の絵では火遠理命の御頸にあるのは勾玉です。
その玉器を受け取った従婢<マカタチ>は
「何て汚い事を」
と思ったのでしょう、替えされた玉器の中にある璵<タマ>を取ろうとしますが、器の中にくっついていくら引っ張っても取り出せません。仕方がありませんから、そのまま豊玉毘売の所に持って帰ります。