「次の太子になっれる虚空津日高がどうしてそんなにお泣きになるのですか」
と塩椎神が尋ねますと、「待ってました」とばかりに、その人が誰だか知っていたのかもしれませんが、すぐに、
「兄の鉤を借りて漁をしていたのですが、その鉤を此の海でなくしてしまいました。その鉤を返すように兄から、頻りに、責められているのですが、どうしたらよいか分からにままに、ここで、泣いていたのですよ。」
と、お答えにんられるのです。すると、どうでしょう、その人は、直に、言います。
“我為汝命作善議"
<アレ ナガミコトノ ミタメニ ヨキコトバ カリ セム"
(「議」を<コトバカリセム>と宣長は読んでいます。「あなたの為になるよい事をしてさしあげましょう。」ぐらいの意味になります。)
と、言ってから、直に、
“旡間勝間之小船<マナシカツマノヲブネ>”
を造るのです。
“旡間<マナシ>勝間<カツマ>”ですが、広辞苑によると、この<マンシカツマ>は「無間勝間」で「密に編んで塗料をぬった、すきまのない竹籠」とあります。
なお、「旡間」は、日本書紀には「無目」と書いてあり「目の無い竹籠で、竹を密に編んで木の汁の類で塗りふさいで作っ舟。一書に無目堅間とあり、堅間は今の竹籠なりとある。」
と説明がしてあります。
と塩椎神が尋ねますと、「待ってました」とばかりに、その人が誰だか知っていたのかもしれませんが、すぐに、
「兄の鉤を借りて漁をしていたのですが、その鉤を此の海でなくしてしまいました。その鉤を返すように兄から、頻りに、責められているのですが、どうしたらよいか分からにままに、ここで、泣いていたのですよ。」
と、お答えにんられるのです。すると、どうでしょう、その人は、直に、言います。
“我為汝命作善議"
<アレ ナガミコトノ ミタメニ ヨキコトバ カリ セム"
(「議」を<コトバカリセム>と宣長は読んでいます。「あなたの為になるよい事をしてさしあげましょう。」ぐらいの意味になります。)
と、言ってから、直に、
“旡間勝間之小船<マナシカツマノヲブネ>”
を造るのです。
“旡間<マナシ>勝間<カツマ>”ですが、広辞苑によると、この<マンシカツマ>は「無間勝間」で「密に編んで塗料をぬった、すきまのない竹籠」とあります。
なお、「旡間」は、日本書紀には「無目」と書いてあり「目の無い竹籠で、竹を密に編んで木の汁の類で塗りふさいで作っ舟。一書に無目堅間とあり、堅間は今の竹籠なりとある。」
と説明がしてあります。