火遠理命が井戸の傍にあった湯津香木に登っていると、そこに宮殿の海神の姫「豊玉毘売」の従媿<マカタチ>(こしもと)が
“玉器<タマモヒ>”
を持って、井戸の水を汲みに来ます。
広辞苑によると、「タマモイ」は「玉盌」で、玉で作った盌(わん)だとでております。昨日見ていただいた青木繁の絵ですが、そこには従媿が持っているのは壺みたいなものが画かれていますが、正式には、盌ですからもう少し浅い水を汲む器ではなかったのではないでしょうかね。宣長も、この玉器について、
「太古の水汲みは「ツルベ」形式でなく、浅い井戸で、盌で直接にくみ上げるための口の広い器だ。」
と説明がしてありますが。まあそれは兎も角として、火遠理命は木の上からその従媿を見ております。何も知らない従媿が水を汲もうとして井戸を見ます。そこに
“於井有光<イニ カゲアリ>”
です。「光<カゲ>」。そうです。井戸の水の上に人の影が映っています。驚いた従媿は一体誰だろうかと仰ぎ見ます。木の上に
“有麗荘夫<ウルワシキ オトコ アリ>”
がいるではありませんか。
古事記には、「荘夫を訓じて遠登古<ヲトコ>と云う」と補足があります。大変凛々しい若い男が、今様の[ikemen」そこにいたのです。
“玉器<タマモヒ>”
を持って、井戸の水を汲みに来ます。
広辞苑によると、「タマモイ」は「玉盌」で、玉で作った盌(わん)だとでております。昨日見ていただいた青木繁の絵ですが、そこには従媿が持っているのは壺みたいなものが画かれていますが、正式には、盌ですからもう少し浅い水を汲む器ではなかったのではないでしょうかね。宣長も、この玉器について、
「太古の水汲みは「ツルベ」形式でなく、浅い井戸で、盌で直接にくみ上げるための口の広い器だ。」
と説明がしてありますが。まあそれは兎も角として、火遠理命は木の上からその従媿を見ております。何も知らない従媿が水を汲もうとして井戸を見ます。そこに
“於井有光<イニ カゲアリ>”
です。「光<カゲ>」。そうです。井戸の水の上に人の影が映っています。驚いた従媿は一体誰だろうかと仰ぎ見ます。木の上に
“有麗荘夫<ウルワシキ オトコ アリ>”
がいるではありませんか。
古事記には、「荘夫を訓じて遠登古<ヲトコ>と云う」と補足があります。大変凛々しい若い男が、今様の[ikemen」そこにいたのです。