私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

“久治良<クジラ>”ですが・・・

2019-07-12 09:22:58 | 日記
  小高い丘の上に張り巡らされた鴫網に海にいる「クジラ」が掛かるとは何でしょうか。

 その答えが見つからなくて、現代の訳者が
 これを『鷹だ』としているのです。私もそれが正解ではないかと思ったのですがどうでしょうか???
 それに対して宣長先生は次の様な説明をしています。
 
 “久治良佐夜流<クジラサヤワル>は鯨障<クジラサハル>にて、鴫羂<シギワナ>へ鯨
  の罹れると云うなり。”

 と書いて、
 「小ざかしい小さな謀りごと(鴫羂)を計画したのですが、それが思わぬ鯨の様な大きな大軍に見舞われて見事に破られてしまった愚か者よ。」
 と歌ったのだと説明があります。
 では、何故、「鴫」と相容れないような「鯨」が詠まれたかというと、「弟宇迦斯」が出した大饗<オオミアヘ>の中に鴫と鯨の料理が入っていたために、実際にはあり得ない様な内容の歌を詠んだのだと説明してありますが、どうでしょうかね???それにしても面白い解釈だとはお思いになられませんか。