― 歌・種・記・文 ― (うたたね きぶん)

日々の中で感じたことを書き留めた自分のための雑記帳。
記憶を鮮明にさせてくれる画像や思いが大事な宝物になっています。

可愛いと思ったミノムシちゃんだけど …

2015-03-01 | 動物・生き物 に関するお話

今期は 昨年のような大雪はないけれど、
雪やみぞれがちらつくことは多く、
夜遅い帰宅になる時には
まだ 防寒対策が しっかりでないと安心できないこともあります。
それでも 晴れた日の陽射 しは
確実に 春間近 と感 じられるようになりました。


ミノムシ っていうと 枯れ枝にぶら下がっているイメージが強いけれど、           
我が家の外壁には 小さな ミノムシちゃん が へばり付いていました。


        ちょっと見は ゴミか 枯れ葉、あるいはその切れ屑がひっかかっているかようですが
        数年前に見つけて ミノムシ だと気づいた時には けっこう感動 してしまいました。
        場所は 一応 軒下。 けれども の全長でさえ2cmほどしかないので、
        台風や強風で飛ばされていないか、強い雨で流されていないか、
        雪が付着 して その重みで落ちてしまっていないか、
        時々 ふっと思い出しては 気になって見てしまいました。
        しかし このちっちゃな生物 の くっつき力は 案外強力なようでした。
        けれども ちょっと疑問に思うこともあるんです。
        それは 時期によるのか 微妙に移動 しているように思える時があったり、
        巣立ったのかなと思っていると 離れた場所に2匹いる時があったりすること。
        果たしてこれが同じ子なのか どこかで世代交代 しているのか、
        見た目に大差がないから さっぱりわからない!
        今いる この子だって、生きているのかどうかさえ わからないんです。
        だけど今まではまだ冬場だったいから..... 、きっと冬眠中 だと思いたい!


昔は枯れ枝の先に よくぶら下がっていて                     
冬の風物詩のようだった ミノムシちゃん ですが、
最近ではそんな姿、まったく見なくなってしまいました。

そもそも、ミノムシ って 何の幼虫?       
中身が イモムシのようなものであることは知っているけれど、
正確な生物名まではわからない。

        ミノムシ の 名前の由来は その形が 雨具の に似ていたためで しょ?
        改めて考えてみれば、この の部分は 幼虫が作った というわけです。
        あんな狭い中にウヨウヨいるとは思えないけれど、 って考えると ゾクッと します。
        中にいるのが 茶毒蛾 みたいな奴だったら? と思ったら またまたゾッ!
        こんなに小さいんだから 成長 しても きっと小さいものだと思うし
        ゆくゆくは きっと 飛び立って行く生き物 なんじゃないか という 想像はできますが、
        いずれにしても <蝶> という気はしないから .....
        やっぱり <蛾> の仲間 ではあるんでしょうか!?


ミノムシ を 調べてみたら …
    英名 : bagwormbagworm moth
                   体が細長く蠕動(ぜんどう)により移動する 袋(蓑)に入った 虫(蛾)。 

やっぱり~!  ミノガ(学名 : Psychidae)の の幼虫 とあり、
Wikipedia には、一般的に オオミノガ (別名 : ヤマトミノガ) の幼虫を指す と書いてありました。
一般的なものには他に チャミノガ というのもあるようです。

    両者を比較すると、
       【 オオミノガ 】 漢字で書くと 大蓑蛾 (学名 : Eumeta japonica)
         ・ 字のとおり ミノムシの中で 最も大きな種類 で、<雄>の体長は 30~40mm。
         ・ 主に を綴り合せて蓑を作る。
         ・ 蓑の形は 紡錘形
         ・ 小枝などに だらりとぶら下がっている
       【 チャミノガ
         ・ 幼虫の大きさは 15mm〜25mm と オオミノガ の 1/2〜1/3 にすぎない。
         ・ 主に 小枝 を綴り合せて蓑を作る。
         ・ 蓑の形は 円筒形
         ・ 木や葉に上端を広く固定し、角度を持ってしっかりとくっ付いている


けれども、双方共に 我が家の軒下に間借り中の この子とは 明らかに違う種類のようでした。

でもね、
調べたからわかった 驚くべき 生態。 
ミノムシ (オオミノガ) って とっても特殊な生き物だったんです。
         <成虫> が の形 になるのは に限られる。              
          の体は かすかに残す <頭部>と<胸部>以外はすべて 卵を宿す<腹部> で、
         無翅. 無脚 でもあるため <蛾> にはならずに 内部留まる
         <雄><雌>共に口が退化 していて、
         翅のある<雄>でさえ 花の蜜などを吸うことはできない。


         蓑の中で無事に越冬できた蓑虫は、春になり 暖かくなってくると
         餌を食べずに そのまま 4月5月半ば 頃 にかけて (さなぎ) になり、
         5月下旬6月上旬 頃 までには 成虫 へと変態する。
         <雄>は<雌>のフェロモンに引かれて夕方から夜間にかけて飛行し、  
         蓑の穴に腹部を伸ばして<雌>と交尾したあと
         <雌>の姿を一度も目にすることのないまま死んでしまう。
         その後 6月中旬 頃、<雌>は自分が潜んでいた蓑の中の蛹の殻の中に
         3,000~4,000個もの卵を産卵 し、腹部の先に生えていた淡褐色の微細な毛で
         卵塊の表面に栓をするように覆う。
         産卵を済ませた<雌>は小さくしぼみ、
         通常は 卵が孵るまで 蛹の殻の中に留まっていて、
         孵化する 6月下旬 頃 蓑の下の穴から出て地上に落下し 死んでしまう。
         孵化から20日前後の 6月後半7月始め 頃 、               
         孵った<幼虫> は 蓑の下の穴から外に出て、糸を吐き 垂らし、
         多くは 風に乗って分散 する。
         葉や小枝などに到着した 1齢幼虫 は ただちに小さい蓑を造り、
         蓑の中から顔を出して葉を 摂食 (※) する。
         食害は 特に 梅雨後の 7月~8月(夏期) 頃に多いようです。
         7月~10月にかけて、葉を食べながら <7回脱皮>を繰り返す幼虫は、
         成長するにつれて蓑を拡大・改変 し、小枝や葉片をつけて大きくしていく。
         秋には 蓑の前端を細く頸(くび)り、摂食後の枯葉や枯れた小枝などに  
         環状になるように粘性の絹糸をはいて絡め これに結わえ付け、
         袋状の巣を作って枝からぶら下がり 越冬に入る。

         ※ 幼虫の摂食による食樹は、樹木全般。                  
           ほとんどの樹木で被害があるそうですが、落葉樹 に多いとの説もあります。
           主食は<葉>ですが、食い尽くすと <果樹> にまで食害が及ぶことがあり、
           ウメ(バラ科)、カキ(カキノキ科)、アンズ(バラ科)、カンキツ類(ミカン科)、グミ(グミ科)
           クリ(ブナ科)、ブドウ(ブドウ科)、イチジク(クワ科)、ブルーベリー(ツツジ科) などで
           被害報告が出ているほか、ウメ や お茶(ツバキ科) などでは<樹皮>までが
           食べられ 枝枯れすることもあり、庭木では、サクラ(バラ科)、カシ(ブナ科)
           ツバキ(ツバキ科)、マサキ(ニシキギ科)、サツキ(ツツジ科) 、ハナミズキ(ミズキ科)
           カエデ(カエデ科)、サルスベリ(ミソハギ科) などが被害にあっているようです。


        ミノムシ は、植物を食い荒らすなど被害を与えることから 食害性害虫 として
        扱われることがあるようです。 こうなると あんまり 可愛い なんて云えなく
        なってしまいそうですが …、 1~2匹なら、 やっぱり、 可愛く見えちゃうかも~!
        だけどね~、それだって 少ないからそう思うのであって、いっぱいいたら きっと
         「気持ち悪い!」 なんて思ってしまうので しょうから 勝手なもんです。

そんな ミノムシ ちゃんも、                                    
今や 絶滅危惧種 に認定されているそうなんです

        どうりで! もうずいぶん見かけないもんね~!
        ミノムシ ちゃん って、枝からぶら下がり 風に揺れている姿が どこか 喉かで
        ユーモラス!  小さな子たちに 「こんな生き物もいるんだよ!」 って見せて
        あげたい思いに駆り立てられる昆虫でもあります。
        勝手続きで云わせてもらうなら、
        一ヵ所に大量発生せず、大被害は与えず、生き続けていてほしいな~!


         ミノムシ の代表格、オオミノガ
         そんな オオミノガが激減 してしまった理由というのが、
         ミノムシを退治するため 1990年から1992年にかけて 中国山東省で大量に放飼
         されていた オオミノガヤドリバエ という名の小型の寄生バエ(体長5mm程度)
         存在。 日本には 1990年代後半あたりに侵入して来たらしく、
         このハエは オオミノガ だけを狙い、幼虫が食べている葉に微小な卵を産み付け、
         葉と一緒に摂食させることで オオミノガの体内に入る。
         その中で 噛み砕かれなかったものは 消化管中で幼虫となって孵化 したあと
         体腔内に侵入し、幼虫が死なない程度に宿主の体を食べて育つ。
         宿主が蛹になると、中身を全て食べ尽くして成長 し、やがて空になった宿主の
         蛹の殻に穴を開けて脱出し、囲蛹 いよう=脱皮 した幼虫から出て蓑の内部で
         蛹になること)
になって、羽化すると 蓑の下の開口部などから脱出する。
         1個体に付き 平均10羽程度。 多い時は100羽以上もの オオミノガヤドリバエ
         羽化することがあるようで、 寄生数が多いとハエのサイズは小形になるらしい。
         なお、その オオミノガヤドリバエ に寄生する という キアシブトコバチ などの
         寄生バチや、羽化直後の成虫を食べる ハエトリグモ などというものまでいる
         というのだから、生き残るためとはいえ 生存争いや騙し合いで 気が抜けない、
         かなり えぐみをおびた自然界を垣間見た気がしました。
         なお、オオミノガヤドリバエ は 寒さに弱いので 北の方にはいないそうです。

さらに調べてみたら、                                         
ミノガ科 には なんと 30~40ほどの種類がある ということがわかりました。
ニトベミノガクロツヤミノガネクロミノガシバミノガキタクロミノガ ... etc.
その外観、そして 人家周辺の建物外壁などで蓑が見られることもある ということから
我が家に間借り中の この子の正体は
            たぶん クロツヤミノガ ではないか という結論に達 しました。
よく似ていると思った ネクロミノガ は <草の茎> で蓑を作る という点が違うようでした。

  
実際の大きさは 写真の 1/3 以下!  20mm の 小さなミノムシちゃんです。
  参考資料によると、
       【 クロツヤミノガ
         ・ 蓑の大きさは 20~25mm。
         ・ 主に 小さくちぎられた 葉屑樹皮屑 を綴り合せて蓑を作る。
         ・ 蓑の形は 表面がわりと滑らかでスラリとした 鋭角の三角柱
         ・ 家の軒や壁、塀 などに しっかりとくっ付いている
         ・ 雄成虫の前翅長は 18-20mm。 体の割りに触角が大きい。
         ・ 成虫出現月は 5~6月。
         ・ 食樹は ブナ、ニレ、バラ、沈丁花、ツツジ、サツキ など 多くの樹木、
           灌木(かんぼく=低木)、蘚類(せんるい=コケ植物の一群)。
         ・ 天敵は シジュウカラなどの小鳥で、蓑の穴から嘴を入れて食べる。

いろいろ見ていたら、                                           
<マメツゲ> や <イヌツゲ> で クロツヤミノガ による食害がある という記事を見つけました。

          〔 ツゲ!?  あっ .....!! 〕
        <ツゲ> という言葉で 思い出したことがありました。
        我が家でも 茶毒蛾被害の山茶花の隣りに植わっている <西洋ツゲ> と
        思われるものが 酷い食害を受けて、山茶花の葉を全カットした時に
        一緒に、すべてカットしたことがあったんです。
          〔 … ってことは、あの時の害虫は この子の仲間たちだったの!? 〕
        確かに、 この子がくっついているのは ツゲの木に近い場所でした。
          〔 えーっ、なんか ショック! 〕
        犯人が確定 したわけではないけれど、かなり濃厚な気が しないではない!
        気になって見てみたら ツゲの葉には また食害を受けた痕跡がありました。
        ただし、これがいつ頃の被害なのかは不明だし、
        ミノムシ はおろか、他の虫の姿も 目にすることは出来なかったので
        決定には至っていません。


  
山茶花は色艶も良いのに、ツゲは色も悪く虫喰い葉になっていました。
ミノムシ は可愛い と思っていたのに、                               
これが本当に この子たちの仕業なら まさに <害虫> というしかなくなってしまいます。
その確認をするため 時期を待つべきなのか、
もう一度 ツゲの葉を全ガットすべきなのか、
迷うところです。


ところで、
ミノムシ がどういう向きで蓑の中にいるのか 知っていますか?
実は とても気になっていたんですが、
男の子のように 解体しちゃう なんてことは出来ないので
勝手に 上方にあるほうが 頭、
クロツヤミノガ なら、外壁にくっ付いているほうが頭 と想像 していたんです。
確かに、幼虫は 蓑から頭を出して摂食するのだから それで正しいのでしょうし、
ミノムシのイラストを見ると すべてそんな風に描かれているので
それが当然のようにも思えます。
けれども 卵を宿した <雌> は、
どうやら 細い先端の方に頭がある らしい!

        だから 卵の孵化を確認 したあと 下から出られるわけね!
        その点は納得できた気がするんだけど、
        そうなると、ずっと 逆立ちしたような状態でいる ってことになるわけだから、
        人間なら 頭に血が溜まっちゃって、拷問みたいになっちゃうわね!


   
風にゆらゆら揺れていた ミノムシちゃん。
そんな風情が失われていくのは 寂しいな~!


                          ※ なお、今回 関連歌の掲載がないことにつきましては
                                                 こちら で ご覧ください。)



                                     お読みいただきましてありがとうございます。
                ランキング投票に ご協力いただけると 嬉 しいです。
 にほんブログ村 ライフスタイルブログ 自分らしさへ
                                                     にほんブログ村





イラスト素材の一部は、下記を利用させていただいています。
   「イラスト工房」 「いらすとや」 「モノクロみのむし」



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする