これは2007年の「ロドスとポールとバラ」(カテゴリー「跳ぶのか、踊るのか。」の3番目の記事) の改訂版である。改訂といっても内容は全く同じで、余白を削って、読みやすくしたものである。
「ロドスとポールとバラ」
Rodos なのか Rhodos なのか、また、rodon なのか rhodon なのか。h は、いるのかいらないのかを調べていたら、一つの記事が目にとまった。その記事は、“Hic Rhodus, hic saltus”は誤訳から生まれた警句であると指摘していた。イソップが「法螺吹」で伝えていた「ロドス」は、島の名前ではなく、棒高跳びで使うポールだったというのである。
“Hic rodos, hic saltus” が原形である(正確にいえば、これの古代ギリシア語の大文字)。「法螺吹」の話は、「事実による証明が手近にある時は、言葉は要らない」という教訓話であるが、ロドス島で跳んだのではなく、ポールを使って跳んだと考えてみても、話はたしかに通じるように思える。(ここにポールがある、ここで跳んでみよ。)
またこの記事は、ポールがロドス島と誤解されたあとで、バラ rhodon と島の名前 Rhodos は結びつくようになったと指摘している。わたしが目にした記事の一部を引用しておこう。
この前後を含めて、くわしく知りたい方は、次を見てください。
Hic Rhodus, hic salta!
追記 上記の引用部分の拙訳。
最初の誤訳は、古代ギリシャ語からラテン語への翻訳で生じた。ギリシャの島の名前は Ροδοςロドスだが、古典ギリシャ語には大文字しかなかった。小文字と大文字が区別される共通ギリシャ語は、アレクサンダー大王の征服の結果として発展した。これは、非母語話者が言語を学びやすくするためのものだった(この時期にアクセントが書き言葉に使われるようになり、非母語話者が正しく発音できるようになった)。この引用はアレクサンダーの時代以前のもので、その単語はΡΟΔΟΣ(RODOS)だった。そのため、混乱が生じた。なぜなら、ギリシャ語の「ροδος」は「棒」を意味し、ラテン語で「rodus」となり、これは棒高跳びに使う長い棒を指す言葉だったからである。ある古代の翻訳者が「ロドス」の「R」を不注意に大文字にしたため、人々はそれを島を指すものだと誤解したが、実際にはそれは誇り高きアスリートがジャンプをするために使う棒のことを指していた。そして、ギリシャ語で「バラ」を意味するのは「ροδον」で、島の名前とは関係がないはずである(これには反対の主張があるにもかかわらず)。ただし、ツツジ(Rhododendron)の名前はこの語源に由来している。
「ロドスとポールとバラ」
Rodos なのか Rhodos なのか、また、rodon なのか rhodon なのか。h は、いるのかいらないのかを調べていたら、一つの記事が目にとまった。その記事は、“Hic Rhodus, hic saltus”は誤訳から生まれた警句であると指摘していた。イソップが「法螺吹」で伝えていた「ロドス」は、島の名前ではなく、棒高跳びで使うポールだったというのである。
“Hic rodos, hic saltus” が原形である(正確にいえば、これの古代ギリシア語の大文字)。「法螺吹」の話は、「事実による証明が手近にある時は、言葉は要らない」という教訓話であるが、ロドス島で跳んだのではなく、ポールを使って跳んだと考えてみても、話はたしかに通じるように思える。(ここにポールがある、ここで跳んでみよ。)
またこの記事は、ポールがロドス島と誤解されたあとで、バラ rhodon と島の名前 Rhodos は結びつくようになったと指摘している。わたしが目にした記事の一部を引用しておこう。
The first mistranslation occurs in the translation from the ancient Greek to Latin. The name of the Greek Island is Ροδος (Rodos), but classical greek only had capital letters. Common Greek, with separate capital and lowercase letters was developed as a result of the conquests of Alexander, in order to make the language easier to learn among non-native speakers (which is when they started using accents in writing, to allow non-native speakers to pronounce words correctly). The quote comes from before Alexander's time, and the word was ΡΟΔΟΣ (RODOS), hence the confusion, because the Greek word ροδος means “rod”, or in Latin “rodus,” which was used to refer to the long stick that athletes uses for pole-vaulting. Some ancient translator haphazardly capitalised the "R" of Rhodos, so people thought it was a reference to the island, but in fact it referred to the rod the boastful athlete used to make his jump. And the Greek word for rose is ροδον, which despite claims to the contrary, cannot be associated with the name of the island, although rhododendrons get their name from this root.
この前後を含めて、くわしく知りたい方は、次を見てください。
Hic Rhodus, hic salta!
追記 上記の引用部分の拙訳。
最初の誤訳は、古代ギリシャ語からラテン語への翻訳で生じた。ギリシャの島の名前は Ροδοςロドスだが、古典ギリシャ語には大文字しかなかった。小文字と大文字が区別される共通ギリシャ語は、アレクサンダー大王の征服の結果として発展した。これは、非母語話者が言語を学びやすくするためのものだった(この時期にアクセントが書き言葉に使われるようになり、非母語話者が正しく発音できるようになった)。この引用はアレクサンダーの時代以前のもので、その単語はΡΟΔΟΣ(RODOS)だった。そのため、混乱が生じた。なぜなら、ギリシャ語の「ροδος」は「棒」を意味し、ラテン語で「rodus」となり、これは棒高跳びに使う長い棒を指す言葉だったからである。ある古代の翻訳者が「ロドス」の「R」を不注意に大文字にしたため、人々はそれを島を指すものだと誤解したが、実際にはそれは誇り高きアスリートがジャンプをするために使う棒のことを指していた。そして、ギリシャ語で「バラ」を意味するのは「ροδον」で、島の名前とは関係がないはずである(これには反対の主張があるにもかかわらず)。ただし、ツツジ(Rhododendron)の名前はこの語源に由来している。