対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

2度も見逃された校正2

2022-09-30 | まちがい発見
ネイピアの対数の考えを説明する図が、『数の大航海』でも『数学の流れ30講 中』でも同じように、107とあるべきところが、10-7となっている(2か所)と述べ、校正の不備を指摘した。

ところが、『中高一貫数学コース 数学3をたのしむ』では正しく107となっていた。
  
しかも、前2書の本文の説明で、不親切と思われた展開も、志賀先生らしく配慮が届いていた。
 P1P2~10-7×107(1-10-7)=1-10-7を示した後、

前2書では、
  P2O~107(1-10-7)-(1-10-7)=107(1-10-7)2
となっているだけだったが、
後書では、
  P2O~107(1-10-7)-(1-10-7)
  =107(1-10-7)-10710-7(1-10-7)
  =107(1-10-7)2
となっていたのである。

『数の大航海』(1999年、日本評論社)
『数学の流れ30講 中』(2007年、朝倉書店)
『中高一貫数学コース 数学3をたのしむ』(2003年、岩波書店)

岩波書店の校正に軍配が上がる。



eの導入とオイラーの公式の成立

2022-09-29 | 指数と対数
『オイラーの無限解析』第8章の注に、オイラーの公式の前身が示されている(ゴールドバッハ宛書簡)。ここにはeは登場していない。
   1741年
   1742年
これは虚の指数と三角関数(余弦と正弦)の関係ではなく、虚の指数と余弦に限定されている。オイラーの関心は、虚の指数と三角関数(余弦)との関係というよりも、虚の指数にもかかわらず実の値(余弦)になることにあったと思われる。

正弦と虚の指数関数との関係を把握するには、さらに log a から log e へ変わる必要があった。指数の底が a から e(ネイピア数、自然対数の底)に変わることによって、対数(log)の表示が消えるのである。この指数の底の転換がオイラーの公式(1743年と思われる)の跳躍点だった。
  
指数の底 e に着目するきっかけになったのは、自由調和振動の微分方程式の成立条件だと述べた(「オイラーの公式—起承転結」付録 1 オイラーの公式、「起」から「承」へ、「数学・物理通信」10-7参照)。それだけでなく、ここには冪から作った指数関数からeが導入されたことが前提となっている。指数の底aと比例定数kが、k=log aの関係を持ち、k=1のときがa=eだったのである。

また「イ・サン」を見ることに

2022-09-28 | ハングル
しばらく前(7月頃)、テレビは午前中に「オクニョ」をやっていた。それが終わって違う番組をやっていたが関心はなかった。先日、なんとなく新聞のテレビ番組を見ていたら、「イサン」をやっている。見てみると5回目だった。「イ・サン」はハングルを勉強するきっかけになったドラマだった。

今日も見た。「急げ」と字幕に出てきて、その発音を覚えて、papagoで発音してみたが、まったく通じなかった。日本語で入力(発音)すると、「서둘러라」と表示される。確かにこの発音だったと思う。서두르다(急ぐ)から派生したものだ。ドラマを見ながら、ときどきこんなふうにやっている。

明日はソンヨンが「麒麟」の絵を描く場面出て来るはずである(第7話 逆転の白)。音楽がいい。「約束」はもちろんだが、オープニングもエンディングもいい。また見たくなる。

2度も見逃された校正

2022-09-27 | まちがい発見
しばらく前に『数の大航海』のネイピアの対数の定義の箇所を読んでいた。ふと気づくと、90ページの図が、間違っているのである。107とあるべきところが、10-7となっている(2か所)。87ページの図と比べればおのずとわかる間違いであり、本文では正しく107とあるので、声を大きく言うほどのことではなかったのだが、ところが、『数学の流れ30講 中』(今日、図書館で借りてきた)の207ページにも同じ図が、同じ間違いのまま提示してあって、一言いいたい気持ちになった。おそらく、志賀浩二先生は原稿の図にうっかり10-7と書いたが、107のつもりだったのだろう。先生には10-7が107に見えていたのである。

校正は原稿と正しく突き合わせて行われたと思うが、内容とも突き合わせて行う必要があった。先生の思い込みを指摘する必要があった。

飛騨古川駅2

2022-09-26 | 飛騨
天気が不安定で、いつ飛騨古川に行くか、迷っていた。日曜日、久しぶりに行ってきた。墓参りと親戚への挨拶である。 三連休の最後の日でもあり、いつも停める市役所の駐車場が満車で、駅裏の若宮駐車場に停めることになった。ここから街中へ行くとき跨線橋を通る。ここは映画「君の名は。」にイメージとして登場している場所である。

以前(2016年)、映画を見たとき、下りのワイドビューひだが、上りの車線に入ってくるのを見て、違和感を持った。しかし、映画の中の話であり、そのまま受け入れるべきであった。跨線橋を渡るとき、下りの列車が通過したばかりで、駅にはどちらにも列車は停まっていなかった。

思えば、昔の駅の跨線橋は写真に写ってる橋だけで、写真を撮っている橋はなかった。

ヒガンバナの花茎が伸びるのは

2022-09-23 | 庭の草木
今日は秋分の日(彼岸の中日)だが、朝から雨である。ヒガンバナが咲き始めている。

先週までは誤って茎を刈ってしまったのかと思ったが、今週に2本伸びて来て、安心した。もう一か所(茶の木の下)、茎が伸びてくる場所があるのだが、そちらを注意深く見たが、今のところない。これからなのか、わからない。

ヒガンバナは気温が20度くらいに下がってくると、地下の球根が目覚めて花茎が伸びて来るのだという。この温度はだいたい秋の彼岸の頃と重なる。通路は条件を満たした。他方、茶の木の下は空気がよどんでいて、まだ温度が高いということだろうか。

ハングルの勉強は続いている

2022-09-22 | ハングル
細々とだが、ハングルの勉強は続けている。この一週間は 『実用韓国語文法中級』を読み進めている。この本は文法の説明が、ハングルと日本語の両方並記してあるので、ありがたい。以前、対訳本があればいいのだがと思っていたが、これで十分である。文法自体はすぐに忘れてしまうのだが、ハングルと親しめている感じがする。ときどきハングルのまま理解できることがあり、うれしいと思う。ただ、日本語の訳が並記してあるので、知らないうちに見ている可能性はあるだろう。

ハングルのカテゴリーの記事をみると、前回は2か月前である。その時は16章だったが、いまは20章に来ている。26章までの本なので、4/5ほど来たことになる。何度も同じ単語を調べては書き入れている。その都度、反省しながら読み進めている。

対数の底を指数の底とみる

2022-09-21 | 指数と対数
ネイピアは対数を作ったが、ビュルギもネイピアとは独立に対数を作っている。いずれも、1に極めて近い連続的な比が進行していく過程に着目した。

ネイピアは1より小さい比を考えた。
  初項107、公比(1-1/107)
ビュルギは1より大きい比を考えた。
  初項108、公比(1+1/104)

ネイピアの一般項は、
  x=107(1-1/107)y
で、これを変形すると次のようになる。
  x/107=((1-1/107)107)y/107
赤字の部分は(1-1/n)nのかたちである。

ビュルギの一般項は、
  x=108(1+1/104)y
で、これを変形すると次のようになる。
  x/108=((1+1/104)104)y/104
赤字の部分は(1+1/n)nのかたちである。

n→∞のとき、
  (1+1/n)n→e(ネイピア数、2.718281828…)である。
これに対して、
  (1-1/n)n=(1+(-1)/n)nである。
したがって、
  n→∞のとき、(1-1/n)n→e-1=1/e である。
ネイピアの対数の底は1/e、ビュルギの対数の底はeだった。こここまでは2年ほど前の記事(「ネイピアとビュルギの対数の底」)抜粋である。ここから、対数から指数の方向を展望してみよう。

-と1/e(ネイピア)、+とe(ビュルギ)のうち、整合性を考えて、+とe(ビュルギ)の方で対数から指数関数を展望する。
  m/108=((1+1/104)104)n/104
において、公比の部分が対数の底になる。対数はべき指数を取り出すから(赤字が底となる)、
  (n/104)=log(1+1/104)104(m/108)
である。z=loga yならaz=yである。
指数関数の形は、
  ((1+1/104)104)z=y
となり、冪から展開できることになる。ここで104は無限大数iとなるものである。オイラーは
無造作に、aω=1+kωを累乗して、
  a=(1+kω)i
を導いた。この代数操作の背景には対数の底の形があったといえるだろう。そして、z=iωと置くとはっきりする。
  
である。対数の底を指数の底としてみることによって、冪から出発して指数関数をつくり、eを指摘することになった(k=1、z=1のときa=e)のである。




オイラー以前に指数関数はなかった

2022-09-20 | 指数と対数
対数は、幾何数列(かけ算)と算術数列(たし算)の対応から誕生したが、思いがけず、直角双曲線の面積との関係(面積は横座標の対数)が発見され、代数から解析の領域に属するようになっていた。

志賀浩二は、オイラーによる指数関数の導入はこの流れを逆転するところに成立したとみている。「対数にしても1/xの不定積分という捉え方ではなくて、ネピアの最初に戻って算術数列と幾何数列の対応という算術的な性質に注目して、はじめて超越的な性格の強い指数関数との関係を見出すことができるようになるだろう」(『数の大航海』)。

(オイラーによる指数関数の導入を志賀浩二『数の大航海』を参考にして想像している。答えはすでに書いてあり、読み取れないだけかもしれない。)

オイラーは対数の逆関数として指数関数を想定し、ネピアの対数の底に指数関数の原型を見定めた。

久しぶりに雨戸を閉めた

2022-09-19 | 日記
昨日もときどき台風14号の影響で風と雨が激しくなったが、今日は本格的である。午前中は風だけだったが、午後になって風が強くなり、また雨も混じってきた。愛知県はまだ強風域だが、これから暴風域に入っていく。雨戸は必要ないと思っていたが、叩きつける風と雨を見て、久しぶりに閉めることになった。