カタランの三角形とは、次のように対角線上にカタラン数が並ぶ三角形である。
1 | | 111 | 111 | 111 | 111 | 111 | 111 | 111 | 111 |
1 | 1 | | | | | | | | |
1 | 2 | 2 | | | | | | | |
1 | 3 | 5 | 5 | | | | | | |
1 | 4 | 9 | 14 | 14 | | | | | |
1 | 5 | 14 | 28 | 42 | 42 | | | | |
1 | 6 | 20 | 48 | 90 | 132 | 132 | | | |
1 | 7 | 27 | 75 | 165 | 297 | 429 | 429 | | |
1 | 8 | 35 | 110 | 275 | 572 | 1001 | 1430 | 1430 | |
111 | 191 | 44 | 154
| 429 | 1001 | 2002 | 3432 | 4862 | 4862 |
これは縦方向だけの単位数列をもとに、パスカルの三角形と同じように、対角線を超えない範囲で、公式
nC
r=
n-1C
r-1+
n-1C
rの関係を満たしながら作られている。
この三角形の一般項を求めようと思った。パスカルの三角形でいえば、
nC
r=n!/(n-r)!r!に対応するものである。
調べていくと、ある記事(注)から、C
n,m=((n+1-m)(n+m)!)/(n+1)!m!であることを知った。しかし、これの導き方は書かれいなかった。どのようにこの公式を導けばよいのだろうか。これを課題とした。
パスカルは隣り合う2つの細胞の比例関係を帰納し、その比例関係から組合せの公式
nC
r=n!/(n-r)!r!を作った。これを手本にして、比例関係を見つけようとしたができなかった。カタラン数の導き方には、組合せと漸化式の考え方があった。カタランの三角形には漸化式は参考にならないように思えた。組合せを参考すればいいような気になっていた。求める公式は高校数学程度のような気もしたが、もっと高度な数学が必要な気もした。わからないまま、1週間ほど経過した。最短経路の総数に着目すればいいのではないかと寝床のなかで思いついた。
カタラン数を求める図
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を参考にして、次の図を作成し、カタランの三角形の一般項を導いた。
カタランの三角形3、カタランの三角形4を参考。
導いてみると、高校数学程度でレベルは低いのだが、自分の身の丈に合っていて、感動したものである。カタランの三角形は、パスカルの三角形と対照したもので、わたしの命名である。対角線上に(n=m)カタラン数が並ぶところは面白いが、カタラン数自体と比べれば、魅力に欠けているような気がしている。
(注)カタラン数 山上滋 http://sss.sci.ibaraki.ac.jp/teaching/catalan.pdf