対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

指数と対数の冪表示と級数表示2

2020-09-30 | 指数と対数
B 対数の冪表示と級数表示

指数の出発点
  
において、eを対数の底にとり、順序を入れ替えると、
  
となる。これを対数表示の出発点とする。

1 累積
  
2 変数部分をx(有限値)で表示する(注1)
  
3 nが無限大数、ωが無限小数であることを確認して、ωをxとnで表示する
  
   
4 2,3を1へ代入する
  
 これが指数の冪を用いた表示である。
5 4を二項展開する(nが無限大数であることを考慮して)(注2)
  

注1
 右辺を1+xではなくxと置くこともでき、冪表示も級数表示も可能である。実際、「負数と虚数の対数に関するライプニッツとベルヌーイの論争」ではxと置き、冪表示を導いている。しかし、『オイラーの無限解析』7章では、1+xと置いている。これはメルカトルの公式をそのまま導くためだったろう。

注2
 次回。


指数と対数の冪表示と級数表示1

2020-09-29 | 指数と対数
 指数と対数の冪を用いた表示を求める過程を4段階でまとめてみる。その級数表示は冪表示を二項展開すれば求められる。5段階で級数表示が得られる。以下に示すのは、『オイラーの無限解析』7章「指数量と対数の級数表示」の縮小版である。縮小というのは、オイラーは
  
から始めているが、ここではk=1(a=e)すなわち、
  
から始めているからである。

A 指数の冪表示と級数表示

1 累積
  
2 変数部分をx(有限値)で表示する
  
3 nが無限大数、ωが無限小数であることを確認して、ωをxとnで表示する
  
4 2,3を1へ代入する
  
 これが指数の冪を用いた表示である。
5 4を二項展開する(nが無限大数であることを考慮して)
  

ひさしぶりに田んぼに行った

2020-09-28 | ノート
 田んぼの草刈りは途中で放棄したまま、天気の関係もあり、1か月ほど見に行かなかった。土曜日、地区の農地保全の活動があり、久しぶりに田んぼを見た。だいぶ穂が出てきていた。また草刈りを始めるつもりだったが、驚いたことに、草は刈ってあり、稲の周囲はきれいになっていた。東側の斜面もほとんど雑草はなく、すっきりしていた。田んぼをやってもらっているIさんが、私が刈った後を仕上げたのだろうと思う。耕運機を入れて根を掘り起こして水を張ったものと思われる。私のような素人ではできない。
 来年は葦を取り除いた2メートルほどの幅も起こして稲を植えてほしいと思っていたが、伝わっているのではないかと思われる。
 今年は地区の農地保全の活動に参加するようになって、自分の田んぼの周囲が一番荒れていることに気づいて、雑草を刈り取る決意をした。これがよかった。

マスクと体温計

2020-09-25 | 日記
 先日、新聞に広告が入っていた。目玉商品は、「不織布マスク50枚入り」500円(制限なし)と「非接触型体温計」3000円(制限あり)。他に、フライパンやサンダルも必要だったので妻と店に行った。開店直後に着いたが、長い列が店内に入り始めたときだった。列の最後を待っているとき、店員が体温計の整理券を配っていることに気づいた。整理券をもらったら49番で、直後に終了した(50台が制限だったのだろう)。わたしは体温計だけでよかったが、妻はマスクを2箱買っていた。500円はコロナ以前の価格にもどったのではないだろうか。500円のマスクは大盛況でレジに並ぶ列がびっくりするくらい長かった。
 妻と子供は出勤前に体温測定が欠かせない。これまで腋に挟む体温計だったが、ここ数日は「非接触型温度計」を使っている。大変重宝している。いい買い物をした。

「庭に来る鳥」案内

2020-09-24 | 庭に来る鳥
 ブログのカテゴリー「庭に来る鳥」から20ほど選んで、ホームページに載せた。写真入りの記事は初めてである。
   「庭に来る鳥
 今年は2月の下旬に撮ったきりで、半年間、記事を投稿していない。今は朝夕、モズがよく鳴いているが、総じて、庭に来る鳥は減っている。枇杷を3本切った影響だろう。鳥が憩える枝が少なくなったのである。

「オイラーの公式―起承転結」案内

2020-09-23 | オイラーの公式
 「オイラーの公式――起承転結」が「数学・物理通信」(10巻7号)に掲載されていますので、案内します。

 「数学・物理通信」(10-7. 2020. 9)

 オイラーの公式は1740年―1745年に形成されている。オイラーは1740年に調和振動を契機として、公式の一端をつかんだ(起)。1743年に調和振動の成立条件を見直し、関数(指数、余弦、正弦)のテイラー展開を比較することによって、公式の全体を把握した(承)。次に、微積分からつかんだ公式を1745年に代数的方法で原理的に再構成した(転)。そして、オイラーは円から生じる同位の関数として公式を定式化した(結)。Euler’s Formula —An untold story.


柄谷行人の贈り物

2020-09-22 | 弁証法
 柄谷行人からときどき刺激をもらっている。九鬼周造の「偶然性の問題」に関する関心は、『探究Ⅱ』がきっかけだった。柄谷が「偶然性の内面化」の手前で立ち止まるのに対して、一歩進んでみようと思ったのである。
   「偶然性の内面化」と弁証法
 こんど『世界史の実験』(岩波新書、2019)を読んでいて、ヘーゲル哲学に対する簡潔な批判的指摘に感心した。
ヘーゲルの観念論的な哲学は、精神による「生産」活動をとらえたものですが、ここには他者との「交換」という契機が欠落しています。(中略)ヘーゲル哲学を真に「転倒」するためには、生産ではなく、交換という観点が必要なのです。
 わたしは「論理的なものの三側面」(『小論理学』)を問題にしてきた。この規定は「対立する一項の内在的否定による進展」(松村一人)と要約できるものである。これに対して、「対話」の契機を導入して「論理的なものの三側面」を組みかえようとしてきた。この試みは、柄谷の指摘する「生産」ではなく「交換」という観点としても見直すことができるように思う。

サービスの縮小

2020-09-21 | 日記
 プロバイダはSo-netを利用している。先日、U-Page+ サービス提供終了の案内が届いた。ホームページの無料サービスを来年の1月で終了するという内容だった。以前はOCNでホームページをやっていたが、サービスが中止になり、So-netに移行した。こんどはここが中止になる。
 いま、ホームページは時々覗く程度だが、それでも書庫としての役割は捨てがたい。ネットには、ホームページの無料スペースはあるようで、いずれどこかを利用することになるだろう。

指数と対数の起源O

2020-09-18 | 指数と対数
 オイラーは a0 = 1から始めている。0は加法の単位元、1は乗法の単位元である。a>1のとき、両辺に微小な変化を想定する。
(引用はじめ)『オイラーの無限解析』より
 まずa0 = 1。しかももしaが1より大きな数であれば、aの冪指数が増大するにつれて、それに伴って〔aの〕冪の値もまた増大していく。これより明らかになるように、もし冪指数が無限小だけ0を越えたなら、冪もまた無限小だけ1を凌駕する。そこでωは無限に小さい数、すなわち、どれほどでも小さくてしかも0とは異なる分数としよう。
(引用おわり)
 そして、ψを無限に小さい数として、
     aω = 1+ψ
と設定している。ここから無限小のψと無限小のωの関係を想定し、底aに依存する数kを導入してψ=kωとおき、
     aω = 1+kω    (1)
としている。aを対数の底とすれば、
     ω=log(1+kω)
である。
 これが指数と対数の起源になる。

 『dxとdyの解析学』(高瀬正仁著、日本評論社、2015)の「指数と対数」54-55頁を読んでいたら、
(引用はじめ)
「ふたつの無限小量は有限比をもつことがある(もたないこともある)」という認識こそ、無限小解析の根幹をなす偉大な発見だったのである」
(引用おわり)
とあり、認識を新たにした。しかも、ここでの有限比、(1)式の比例定数kは、
  k=limω→0(aω-1)/ω=log a  (2)
の関係にあると指摘されていた。
 これは「冪を用いて表示される対数6」で導いた
  nx1/n-n=log x     (3)
と同じ関係にあると気づいた。

 (2)式は高瀬正仁がオイラーの(1)式に付けている注にある式だが、この計算は高木貞治『解析概論』定本49頁にあるといっている。ここは先日(3)を導出するとき参考にした箇所と一致しているだろう。軽装版では45頁である。
 (1)式
  aω = 1+kω
に対する見方が深まったと思う。

対数の級数表示の導出2

2020-09-17 | 指数と対数
 対数の無限級数による表示は、対数と双曲線のグラフの面積との関係から1660年代に導かれている。ニュートンは積分によって、メルカトルは区分求積法によって導いている。(志賀浩二『数の大航海』参照)
  log(1+x)=x/1-x2/2+x3/3-x4/4+…
 オイラーの目標はメルカトルの公式(ニュートン・メルカトルの公式)を
  log(1+ω)= ω
から導くことである。
 オイラーはこのギャップを4stepで登っている。この導出は指数の無限級数表示を導くときと同じ方法である。