現在制作中の新刊本の編者、全大阪生活と健康を守る会連合会(略=大生連)の支部の1つ、吹田生活と健康を守る会の機関紙「会報すいた」に大阪の府立高校のエアコン使用料徴収(高校生1人当たり毎年5400円)に関する記事が載っている。大生連が大阪府と行った2008年度大阪府予算交渉報告の続報として書いてあるものだが、この問題は導入時から大きな問題になり今も、授業料が全国一高い府立高校を象徴的に表す事柄になっている。以下にそのまま紹介する。
各分野にわたり交渉しましたが、特に大阪府教育委員会との交渉で、府立高校エアコン使用料をめぐり、余った使用料を一般備品費など目的外に使用されていることが明らかになった問題を紹介します。
要望内容――府立高校・市立高校のエアコン使用料は無料にし、当面、減免対象にすること。
当 局「エアコン使用料は、受益者である生徒全員で負担する。減免はしない」
参加者「受益者とはだれのことか」
当 局「生徒です」
参加者「あなたたち職員は、働くときにエアコン使用料を払っているのか」
当 局「・・・・」
参加者「エアコン使用の目的は、働きやすい環境と学びやすい環境を整えること。生徒たちが勉強することは、社会の宝だ」
参加者「生徒である高校生は、担税力はあるのか」
当 局「生徒の保護者が払う」
参加者「担税力があるものを受益者という。生徒は担税力がないので受益者ではない」
参加者「エアコン使用料が毎年度6000万円黒字になっているが、それをエアコン使用料以外の備品代などに使用されていると聞いた。それは本当か。エアコン使用料の収支決算書はどうなっているか」
当 局「決算はできない。収入6億2000万円は一般収入に、支出は環境改善事業14億8000万円に計上されており、エアコン使用料だけの収入支出の決算はしていない」
参加者「生徒から目的を明示して集めたお金を目的以外に使用するのは約束違反だ。残ったお金は単年度決算して生徒に返金するのが一般常識だ。エアコン使用料の単独の決算書がないなんて、だましに等しい」
参加者「私は府立高校3年生の子どもを持つ親だ。エアコン使用料は全額エアコン使用に使われていると思っていた。信じられない」
参加者「エアコン使用料を払わないと退学処分になる。強制力をもって徴収しておいて、余ったお金は目的以外に使用する。しかも負担の公平といって減免制度はつくらない。許されないことだ」
参加者「生活保護利用者には減免しているのか」
当 局「公的機関が権力を持って費用を徴収するのを税という。生活保護法第57条には「…租税その他の公課を課せられることがない」と明示されており、法律違反のおそれがある」
――このあと激しい応酬――
当 局「退学者は1人も出していない」
参加者「退学処分の規定があることが問題だ」
参加者「退学処分規定をチラチラ見せながら、退学処分はしていないと開き直る。その態度は教育者としての真摯な態度ではなく、脅しで教育行政を進めている姿だ。許されない。怒りを覚える」
全国一高い授業料を取りながら、その上にエアコン使用料を徴収するというあくどい事をやりながら、その会計処理のずさんさ、無責任さには驚くばかりです。これが今の大阪府政の実態の一端です。低所得者にも減免措置をしない、冷たい府政をこのままにしておいていいのでしょうか。
ちなみにウチの高1、高2の息子たちももちろん府立高校に通っている。