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ねずみのはなし~本屋の窓から③

2008年01月30日 | 本屋の窓から

 ことしは、十二支の「子」(ね)の年。鼠(鼡)の字を当てる。日本、中国、韓国、ベトナムの人は生まれた年で干支が決まる。
 運勢暦によれば、同じ干支の人たちには、性格とか宿命とかに共通したものがあるという。『子年生まれの人は、性格が正直で、貯蓄心に富み財を作る。但し、倹約の度を超すとケチになり非難を受ける。徳を積めば晩年は安楽な余生を送ることができる』。


 〔ねずみ〕の語源説
 根 棲 (穴、陰所に棲む)
 不寝魅(夜も寝ない)
 寝出見(人の寝たあと出る)
 寝盗見(人の寝たあと盗む)

 
 〔ねずみ〕に因むことば
 ねずみ小僧(江戸末期の盗賊で大名屋敷だけを狙い盗金は貧民に与えた)
 鼠族   (こそこそ侵入して盗む、こそ泥、小泥棒)
 鼠とり  (スピード違反自動取締監視装置)
 ねずみ算 (和算。ねずみの親子が一定期間を置いて増える例えの計算問題。一対のねずみが毎月12匹生み、子も12匹、またその子も12匹と生んでいけば12ヶ月で何匹になるか。


 〔ねずみ〕の集団自殺説
 森に住むねずみの仲間レミングは10年おき位に大発生。食料不足になり大集団で餌を求めて移動する。途中、湖や海に落ちて大量死するため集団自殺とされてきた。今は事故とされている。


 南方熊楠によれば、食用できるねずみもいる。中国領南の人はねずみを家鹿といって食する。竹ねずみは筍を好み、大きさはウサギほどあり、味は鴨肉の如しと。熊楠は「およそ鼠ほど嫌われ憎まれる物は少ないが、鼠を食して生きている人も多く、迷信ながらもこれを神物として、数々の伝説物語を生じた民もあり、鼠もまったく無益な物でないことが判る」。

 
 ねずみが好きだという人はそういない。だが子どもそうでもない。子らは天井を走るねずみを知らない。絵本の『グリとグラ』シリーズや『14ひきのねずみ』シリーズ。この今でも売れ続けているいずれも何百万部という超ロングセラー絵本の影響が大きい。ねずみはかわいい小動物だと思っているようだ。
 ねずみは大黒様のお使いというから、ねずみの本は出版社にご利益を運んできた。映画『ねずみ物語』もヒットするかも知れない。


 *クイズの答え――276億8257万4402匹

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