月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

誰のために咲き誇る?

2010-09-24 21:55:28 | 植物
昨日の朝はまったく見なかった彼岸花が、今朝になって一斉に姿をあらわした。まだ出てこないな、などと探しながら運転していても昨日までは全然見つからなかったのに…お前らいったいどんなスピードで生長しているんだ?

ヒガンバナ
彼岸花は種子を作ることができない。だから咲く花はすべていわゆる徒花(あだばな)で、まったくの無駄なのだそうだ。

ではどうして彼岸花が増えていくのかというと、それはすべて球根(正確には鱗茎というそうだ)によるものだということになる。この場合、子(?)は遺伝的に全く同じクローンということになるので……たとえばその辺に生えてる彼岸花は、かなりの確率でほぼすべてそっくりさん、ということになる。そりゃ一斉に咲きそろうわけだ。ソメイヨシノと同じ。

移動能力がまったくない球根(鱗茎)で、なぜこれだけ広がったのかというと、これはやはり人間の仕業ということになる。
代(しろ)をかいたり畝をきったりといった作業の中で自然に広がってしまうのもあるだろうけど、飢きんの際の非常食として植えられた、という話を聞いたことがある。彼岸花の球根は有毒だが、毒抜きをすれば食べられる。彼岸花につきまとう忌まわしいイメージは、飢饉で斃れていった人々を思い出させることから形づくられたものかもしれない。

あと、これは私の想像だけれど、秋から葉を伸ばして春に枯れる生育パターンは稲作りには全く邪魔にならないうえに、むしろ他の雑草の生育を妨げるだろうから、そのあたりも買われたんじゃなかろうかと。あぜや土手を守る土固めとしても有用だろう。うまくすればモグラやネズミなんかを遠ざける効果も……さすがにそれはないか。

……なんて、どっかの受け売りを延々とやってしまった。今度の日曜なら撮影には理想的だ。今年こそ綺麗に撮るぞ。風が吹きませんように……