月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

オオオニテングタケを食ってみた~毒見編~

2013-08-04 21:26:42 | キノコ料理
夏、真っ盛り!そして夏キノコも最終盤!

高湿度とはいえ、連日の暑さにさらされ、キノコの大半が姿を消す中で、例外ともいえるパフォーマンスを誇るのが、巨大キノコ・オオオニテングタケだ。強い日射にさらされても、めげすに発生を続けている。その存在感は、雑木林の中でパッと見つけた時に、見慣れてる私ですらギョッとしてしまうほどだ。
ところでそのオオオニテングタケだが、先日、耳寄りな情報を入手した。「オオオニテングタケを食べている人がいるらしい」と。

確かに、このキノコ端境期に、あの巨大キノコが食えたりしたら、しかも、予想を裏切る美味であったなら……それは超快挙ではなかろうか。

ということで、オオオニテングタケ食ってみた!



オオオニテングタケは、数あるキノコの中でも、もっとも危険なテングタケ科に属している。既知の毒キノコのうち、かなりの種数を占めており、致死性の猛毒を持つ種も大半がこのグループ。まさしく毒キノコの中の毒キノコと言えるテングタケ類。
本来は、間違っても好奇心で試すべきキノコではない。いやマジで。

食べられるという情報も、本当かどうかまるでアテにはならない。デマだったら最悪、命をかけることにもなりかねん……ということで、今回は「石橋をたたいて渡る」を基本方針にした。

まず、毒の有無の確認だが……

オオオニテングタケを少しだけ食べる→大丈夫そうだったら、日を改めて、少し増やして食べる

微量で即死の猛毒菌でないかぎりは、この方法である程度の安全は確かめられるはずである。

オオオニテングタケはテングタケ科の中のマツカサモドキ節に属しており、このグループの中で猛毒と見られているのは今のところタマシロオニタケだけである。このへんの食毒の情報はかなりデータが少ないのでアテにできないのだが、テングタケ類の中では猛毒率が比較的低いグループだとは言えそうだ。タマシロオニタケにしても、数グラムで人が死ぬほどの威力はないので、最悪の事態は避けられると思う(確率的に)。
また、オオオニと近縁と思われるハイカグラテングタケは食用になるとの話なので、多少は心強い。

ということで、毒見にとりかかる。調理法はより安全性の高い「茹でこぼし」をつかった。水溶性の毒なら多少は軽減できるはずである。
最初は小指の先くらいから。ん、少なすぎて味もわからん。

食べてから半日を経ても、特に異状はなかった。なんてこたない。次、次。

……さいわい、オオオニテングタケは巨大で日持ちもいいので、たった1本のキノコで「石橋を渡る計画」は順調に進み、20グラム(シイタケ一本分くらい)までは体に何の異常も認められないことが判明した。

次回へ続く