『きのこ文学名作選』 飯沢耕太郎 編
キノコ書評家・飯沢耕太郎の手によるキノコ書評本三部作(かってに命名)の中でも、燦然と輝きすぎる一冊。
夢野久作、加賀乙彦、泉鏡花、正岡子規、宮澤賢治……数々のきのこ文学の中でも、より抜きの名作を凝縮した「きのこアンソロジー」の決定版。
名作ぞろいだから中身は文句なしにスゴイと言えばスゴイんだけど、それを抜きにしてもなんかこの本、輝いてるんだよね。うん、まあなんというか、その、デザインが。
あれ?
乱丁?
なんじゃこりゃ?
発狂デザイン(笑)
作品が変わるごとに紙の色ばかりでなく、紙質まで変えるという手の込みよう。手掛けているのは『言いまつがい』『伝染るんです。』など、奇抜な装丁を手がけることで有名なデザイナー・祖父江慎。道理でなー。
ブックカバーはよく見ると穴だらけで、表紙は金ピカ。こんなもんどうやって印刷すんだ?
読めません(苦笑)
正直、読みづらいのでここまでやるのはどうかとも思うが、おもしろいので良しとする。ただ、これがキノコ的なデザインかといえば、そうではないと思う。まだまだ掘り下げが足りぬようだ。
キノコとは、植物ではなく動物でもないもの。滋養を持ち、毒を持つもの。死物を分解し、生ける者へ還元するもの。すなわち、死を招き、新しい生をもたらすモノ……!その!二律背反を体現するブックデザインとは!!
……ウラもオモテも両方表紙で!!裏表紙からはじまる作品はぜんぶ上下逆さに印刷してある!!紙は表半分が白系、裏半分が黒系で!表側からのページと裏側のページがまん中でゴッツンコすると、そこだけがレインボーカラー、さらにはホワイトアウト!上下も左右もない無重力の混沌状態になっているっ……!!
……ってぇ案なんだけど、いかがかしら?
『日本菌類図説』とのコラボも。
他にも、ペインター・松田水緒の手による落書き的挿画が多用されているが、こちらの出来も、ちと残念である。落書きとは、無意識とのファーストコンタクトから生まれるものだが、それが生み出されるにはまず沈殿が要る。その沈殿がない。だから薄い。堅い。精気がない。(意味不明でスイマセン)
結局、この本のデザインは、ただ奇抜なだけのように思う。もちろんキノコを念頭において作成したのだろうが、それはキノコという存在を頭の中のイメージオンリーでこねくりまわしただけ。実体がない。
別に奇抜でなくてもよかったのに、あえて奇抜にしたかったのなら……せめて生き物への愛がある人にまかせてほしかった。キノコはこんなカタチをしておらぬ。
少々読みにくいが、テキストそのものには問題なし。
個人的には加賀乙彦の『くさびら譚』、村田喜代子『茸類』が好きかな。
キノコの暗黒的な側面をうまく掘り下げた作品が多い。
キノコ書評家・飯沢耕太郎の手によるキノコ書評本三部作(かってに命名)の中でも、燦然と輝きすぎる一冊。
夢野久作、加賀乙彦、泉鏡花、正岡子規、宮澤賢治……数々のきのこ文学の中でも、より抜きの名作を凝縮した「きのこアンソロジー」の決定版。
名作ぞろいだから中身は文句なしにスゴイと言えばスゴイんだけど、それを抜きにしてもなんかこの本、輝いてるんだよね。うん、まあなんというか、その、デザインが。
あれ?
乱丁?
なんじゃこりゃ?
発狂デザイン(笑)
作品が変わるごとに紙の色ばかりでなく、紙質まで変えるという手の込みよう。手掛けているのは『言いまつがい』『伝染るんです。』など、奇抜な装丁を手がけることで有名なデザイナー・祖父江慎。道理でなー。
ブックカバーはよく見ると穴だらけで、表紙は金ピカ。こんなもんどうやって印刷すんだ?
読めません(苦笑)
正直、読みづらいのでここまでやるのはどうかとも思うが、おもしろいので良しとする。ただ、これがキノコ的なデザインかといえば、そうではないと思う。まだまだ掘り下げが足りぬようだ。
キノコとは、植物ではなく動物でもないもの。滋養を持ち、毒を持つもの。死物を分解し、生ける者へ還元するもの。すなわち、死を招き、新しい生をもたらすモノ……!その!二律背反を体現するブックデザインとは!!
……ウラもオモテも両方表紙で!!裏表紙からはじまる作品はぜんぶ上下逆さに印刷してある!!紙は表半分が白系、裏半分が黒系で!表側からのページと裏側のページがまん中でゴッツンコすると、そこだけがレインボーカラー、さらにはホワイトアウト!上下も左右もない無重力の混沌状態になっているっ……!!
……ってぇ案なんだけど、いかがかしら?
『日本菌類図説』とのコラボも。
他にも、ペインター・松田水緒の手による落書き的挿画が多用されているが、こちらの出来も、ちと残念である。落書きとは、無意識とのファーストコンタクトから生まれるものだが、それが生み出されるにはまず沈殿が要る。その沈殿がない。だから薄い。堅い。精気がない。(意味不明でスイマセン)
結局、この本のデザインは、ただ奇抜なだけのように思う。もちろんキノコを念頭において作成したのだろうが、それはキノコという存在を頭の中のイメージオンリーでこねくりまわしただけ。実体がない。
別に奇抜でなくてもよかったのに、あえて奇抜にしたかったのなら……せめて生き物への愛がある人にまかせてほしかった。キノコはこんなカタチをしておらぬ。
少々読みにくいが、テキストそのものには問題なし。
個人的には加賀乙彦の『くさびら譚』、村田喜代子『茸類』が好きかな。
キノコの暗黒的な側面をうまく掘り下げた作品が多い。