月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

なめこ

2014-11-20 21:00:05 | キノコ
やみくもに斜面を登ること一時間。隊長は立ち止まると「このへんからミズナラありますんでー!気をつけて探してってくださーい!」と叫んだ。

やけに引率の先生っぽいのは自然公園でイベント管理してる職業柄か。

里山にあるコナラと色や雰囲気が似ているけど、ひび割れ方が明らかに違う樹皮が見える。あれがミズナラだ。多くのキノコと菌根をつくる重要な樹種で、その枯れ木にも、食用を含むさまざまなキノコが生えるステキな樹。歩みをゆるめてゆっくり探しながら進む。去年Kと共にこの地を訪れた隊長補佐のMが言うには「たしかこの辺にあった……」そうだが。

「あれ!そうじゃない?あったあった!」

目立つところの枯れ木に茶色いキノコが群がって生えていた。おー、おーー。これぞナメコだ。ちょっと古めだけど、間違いない。自分にとっては15年ぶりの再会!!

被写体としてはイマイチだったけど、撮影会が始まる。

「いやいや、まだ序の口ですんで。」Kは余裕の表情でそう言って、今回キノコ狩り初体験のT夫妻にナイフを渡すと、練習もかねて、若いのだけを選んで収穫するよう促した。

「いいヤツだけでいいですわ。帰りにここもう一度通るんで、もし上行ってあんまなかったら、残りはそんとき採りましょう」

実は、ある理由で帰りにここを通ることはなかったんだが、それはさておき。

キノコ部隊は再び進む。