月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

しろきくらげ

2015-06-16 21:03:11 | キノコ
この日、キクラゲの仲間がたくさん見られたが、なかでも数が多かったのはシロキクラゲだった。

雨上がりのシロキクラゲが日の光をうけると、宝石のようにきらめいて美しい。


そういえば、シロキクラゲを見たときに確かめようと思っていたことがあるのを思い出した。
シロキクラゲは、実は純粋に木材を分解しているわけではなく、木材を分解している他のキノコに寄生しているという話を聞いたからだ。

寄生されるキノコはクロコブタケ。5ミリかせいぜい1センチ弱くらいの黒いコブをつくる、ごくごくありふれた子嚢(しのう)菌の仲間だ。

おっ、あった。
シロキクラゲをとり囲むように生えてる小さなコブがクロコブタケ。ちなみに木の表面が黒くなっているのはクロコブタケの胞子のしわざ。


あっ、ここにも。

この日50株くらいのシロキクラゲを見たが、調べた限り、シロキクラゲの生えている枯れ木にはことごとくクロコブタケがついていた。しかも、ふつう、別種のキノコは境界線を作って棲み分けるものなのだが、この2種に関しては完全に混じっているというか、クロコブタケの群れのただ中にシロキクラゲが生えてきているという印象が強い。

どうやら、この2種が深い関係にあるというのは確かなようだ。キノコを食べるキノコ。生き物の世界はおもしろい。