月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

べにいぐち

2013-08-10 21:03:47 | キノコ
ベニイグチ。色が鮮やかなのにもかかわらず、傷みが早いのもあって、きれいに撮るのが難しいキノコだ。この日はまだ若いキノコにでくわした。

……強い日差しが木々にさえぎられ、風が吹くと、枝の揺らぎに合わせてチラチラとキノコまで光が届く……そのときの雑木林はそんな感じだった。たえず変化する光に合わせつつ何カットも撮影して、一番出来の良かったのが最後の1カット。

満足のいくできばえ。そういう写真は年に2、3枚しか撮れない。

しろおにたけ

2013-08-09 21:02:47 | キノコ
幼菌を見かけるたびに撮っちゃうシロオニタケ。イボイボの陰影が好き。

いろんなアングルで狙えるので、そういう意味でもおもしろいキノコ。

こういうのはあんまり考えずに直感でガシガシ撮ったのがいいのが撮れるかも。

きくばないぐち

2013-08-08 21:20:55 | キノコ
一昨日までは曇ったり夕立が降ったりでいくらか過ごしやすかったのだが、昨日から夏の日差しが猛烈に巻き返している感じ。

昨日キノコを探してみたが、意外にも生えたばかりのキノコがちらほらと見られた。定期的にお湿りがあったのと、少し暑さが緩んだので、ここまで生えそびれていたキノコが顔を出したものだろう。それもたぶん今日まで。明日には縮れて枯れるなり、虫に食われるなりして姿を消していくだろう。これがたぶんこの上半期のキノコ最終便ってことになると思う。

真夏のイグチの代表格・キクバナイグチも、ここにきてようやく姿を拝めた。

今年の夏は、見ずに終わったキノコが本当にたくさんあるなあ。

オオオニテングタケを食ってみた~リベンジ編~

2013-08-06 20:04:12 | キノコ料理
≪オオオニテングタケを食べてみた「毒見編」「ソテー編」のつづき≫


毒見をしていたにもかかわらず、なんで毒キノコ判定がくだってしまったか。やっぱりそれは調理法の違いによるものだろう、と思う。

茹でこぼしは、水溶性の毒ならばお湯にある程度溶け出すだろうから、毒性を多少なりとも軽減できる。

しかしソテーは成分が溶け出しにくく、加熱で壊れるような毒でなければ8割がた食べてしまうことになる。旨みや香りを逃がさない代わりに、毒成分も逃がさない。

その差が出たんじゃなかろうか。

そもそも、妙なニオイのするこのキノコの場合、風味を残すような調理法にこだわる必要もない。やっぱ茹でこぼしが正解なんじゃないか?ついでに濃い味付けの料理にしてしまえば、ニオイもごまかせるんでは?
なんかファイトが湧いてきたぞ!(←たぶん人として間違ってマス)

ということで、再チャレンジだ。



再戦用に新しい獲物を採ってきた。なぜか前回のキノコより明らかに大きくなってるのはご愛敬。高さ20センチ、重さ200グラムほどの逸品だ。見た目はけっこう美味そう……かな?これを全部ブチこむ。

まず、これをスライスして3分ほど茹でる。じつは茹でたときのニオイは、生の状態のニオイとちょっと違って、すごくかぎ慣れたニオイがする……それは、プールのニオイだ。そう、あの塩素系消毒のニオイがするのだ。
ちょっと親近感が湧いてきたぞ。でもやっぱ食いモンとしちゃありがたくないな(-_-;)

茹で終わったらお湯を捨てて、念のため、水に1時間ほどさらしておく。



フライパンに、細かく切った鶏ムネ肉とズッキーニ、オオオニテングタケを入れ、塩で味付けして炒める。そこへトマト缶を投入して、味を整えながら、ちょっと煮詰めて完成。



できた!オオオニテングタケとズッキーニのトマト煮。うん。なんかウマそうではないか?さっそく食べてみよう。

ん!

ソテーより段違いにうまい。

まず歯触りがいい。一度茹でたこのキノコには、なめらかな質感とコシのある歯ごたえが生まれていた。いきなり油で炒めるなんてのとは、もうまるで比べ物にならない。ただ、傘の部分は少しネチョッと歯にくっつくような感触があった。

そしてニオイ。例の塩素系便所洗剤臭は確かに気になるが、他の食材と混ぜて、さらにトマトを混ぜることで、だいぶ軽減することに成功した。それでも受けつけないという人はいるかもしれないが、ほとんどの人には我慢できないレベルじゃない……ハズ。

そもそも、鶏肉や夏野菜の旨みで、料理としてはだいぶ底上げされてるので、キノコ単品のソテーより美味しいに決まっている。にしてもオオオニは脇役に徹するのが食材として分相応だ、とは言えそうだ。

そうそう、忘れていたが、この料理で本能アラームは作動しなかったし、一食で100グラムほど摂取しても体に異状は現れなかった。有毒かどうかは中毒するまでわからないが、それでも個人的な感触としてはやっぱり有毒(ただし毒性は弱い)なんじゃないかと思う。
「石橋をたたいて渡る」計画は、橋が大丈夫でないことを確認してから渡ってしまったので、無意味だったな……(苦笑)

ということで、特大悪臭キノコ・オオオニテングタケは

味ランク C 食べられなくはない
たぶん有毒(弱)
 


というのが私の判定である。

最後に。自分でやっといてなんだけど
皆さん!くれぐれもマネしないように

もしマネをして中毒された方は、ご自分の体をもって責任をとってくださるようお願いします(他人を巻き込まない!)。


オオオニテングタケを食べてみた~ソテー編~

2013-08-05 21:08:20 | キノコ料理
「毒見編」 よりつづき≫

よし、道は開けた!次は試食だ!

ある程度の安全が保証されたので、こんどはオオオニテングタケの量を増やしてみて、食材としての可能性を見てみたい。
あまりコテコテと手のこんだ料理はオオオニの風味を損ねてしまうかもしれないので、まずはシンプルな調理法を試すことにする。ソテーだ。



今回使用するオオオニテングタケ。まだかなり若い状態で、傘の部分がすごく小さく、ほとんどが軸である。高さ10センチほど、重量は50グラムくらい。本当はもっと大きくなったところをいただきたいのだが、このキノコ最大の難点として、ニオイがきついというのがある(またかよ)。そのニオイは歯医者の消毒のニオイ?防虫剤のニオイ?とも言われるが、そのどれとも微妙に違う、少し化学系のヘンなニオイで、キノコが大きくなればなるほどキツくなり、最終的には近寄るのも嫌なほど強烈になる。そこでやむなく、傘の開いてないものを採取したわけだ。

調理は簡単、薄切りにして、サラダ油を入れた中華鍋で両面を焼いて、塩を振るだけ。



できた。見かけはマツタケっぽいぞ(笑)

残念ながらマツタケっぽいのは見かけだけで、やはり例のニオイを漂わせまくっている。火を通したら無臭になるとかそういうものではなさそうだ。正直、悪臭というほど悪いニオイではないと思うのだが、さりとて、食べ物から漂ってほしいニオイではない。

ま、ゴチャゴチャ言っても始まらん。いざ。

うーむ?やはり例のニオイが鼻につく。それはまあ覚悟していたのだが、歯触りが思ったより良くない。シコシコしたコシのある噛みごたえを期待していたのだが……歯ごたえはそこそこあるものの、少しボソつく感じである。毒見の時はそんなの感じなかったけどなー。

うん。はっきり言ってマズい。

とか思いながら半分ほど食べたところで、箸が止まった。来た!「本能アラーム」だ!

前回マツオウジに当たった時に判ったのだが、本能が「ヤバい」と判断したとき、「オイ、ちょっと待てやコラ。ソレ食っていいモンちゃうやろ!」というクレームをつけるらしいのだ。
アラームが発動すると、頭を押さえつけられてるような感覚がして箸がすすまなくなる。マツオウジの時はこれを無視して当たったので、渋々ながら今回は素直に従うことにした。

結局、その後半日を経過しても体に異状はなかったものの、ミッションは失敗である。

オオオニテングタケ、やっぱ毒あるんか?毒見のときは何ともなかったのになー。

……次回へ続く


オオオニテングタケを食ってみた~毒見編~

2013-08-04 21:26:42 | キノコ料理
夏、真っ盛り!そして夏キノコも最終盤!

高湿度とはいえ、連日の暑さにさらされ、キノコの大半が姿を消す中で、例外ともいえるパフォーマンスを誇るのが、巨大キノコ・オオオニテングタケだ。強い日射にさらされても、めげすに発生を続けている。その存在感は、雑木林の中でパッと見つけた時に、見慣れてる私ですらギョッとしてしまうほどだ。
ところでそのオオオニテングタケだが、先日、耳寄りな情報を入手した。「オオオニテングタケを食べている人がいるらしい」と。

確かに、このキノコ端境期に、あの巨大キノコが食えたりしたら、しかも、予想を裏切る美味であったなら……それは超快挙ではなかろうか。

ということで、オオオニテングタケ食ってみた!



オオオニテングタケは、数あるキノコの中でも、もっとも危険なテングタケ科に属している。既知の毒キノコのうち、かなりの種数を占めており、致死性の猛毒を持つ種も大半がこのグループ。まさしく毒キノコの中の毒キノコと言えるテングタケ類。
本来は、間違っても好奇心で試すべきキノコではない。いやマジで。

食べられるという情報も、本当かどうかまるでアテにはならない。デマだったら最悪、命をかけることにもなりかねん……ということで、今回は「石橋をたたいて渡る」を基本方針にした。

まず、毒の有無の確認だが……

オオオニテングタケを少しだけ食べる→大丈夫そうだったら、日を改めて、少し増やして食べる

微量で即死の猛毒菌でないかぎりは、この方法である程度の安全は確かめられるはずである。

オオオニテングタケはテングタケ科の中のマツカサモドキ節に属しており、このグループの中で猛毒と見られているのは今のところタマシロオニタケだけである。このへんの食毒の情報はかなりデータが少ないのでアテにできないのだが、テングタケ類の中では猛毒率が比較的低いグループだとは言えそうだ。タマシロオニタケにしても、数グラムで人が死ぬほどの威力はないので、最悪の事態は避けられると思う(確率的に)。
また、オオオニと近縁と思われるハイカグラテングタケは食用になるとの話なので、多少は心強い。

ということで、毒見にとりかかる。調理法はより安全性の高い「茹でこぼし」をつかった。水溶性の毒なら多少は軽減できるはずである。
最初は小指の先くらいから。ん、少なすぎて味もわからん。

食べてから半日を経ても、特に異状はなかった。なんてこたない。次、次。

……さいわい、オオオニテングタケは巨大で日持ちもいいので、たった1本のキノコで「石橋を渡る計画」は順調に進み、20グラム(シイタケ一本分くらい)までは体に何の異常も認められないことが判明した。

次回へ続く

赤いベニタケ

2013-08-03 20:22:50 | キノコ
ベニタケ不明種。

ヤブレベニタケかと思ったけど、傘の色が暗赤色で中央の色が濃いのと、ヒダの赤いふちどりがない点で違いそう。この系統で柄が赤く染まる種類ってそんなにはないけど、わからんなあ。

かじったら後味が辛かった。