≪オオオニテングタケを食べてみた
「毒見編」「ソテー編」のつづき≫
毒見をしていたにもかかわらず、なんで毒キノコ判定がくだってしまったか。やっぱりそれは調理法の違いによるものだろう、と思う。
茹でこぼしは、水溶性の毒ならばお湯にある程度溶け出すだろうから、毒性を多少なりとも軽減できる。
しかしソテーは成分が溶け出しにくく、加熱で壊れるような毒でなければ8割がた食べてしまうことになる。旨みや香りを逃がさない代わりに、毒成分も逃がさない。
その差が出たんじゃなかろうか。
そもそも、妙なニオイのするこのキノコの場合、風味を残すような調理法にこだわる必要もない。やっぱ茹でこぼしが正解なんじゃないか?ついでに濃い味付けの料理にしてしまえば、ニオイもごまかせるんでは?
なんかファイトが湧いてきたぞ!(←たぶん人として間違ってマス)
ということで、再チャレンジだ。
再戦用に新しい獲物を採ってきた。なぜか前回のキノコより明らかに大きくなってるのはご愛敬。高さ20センチ、重さ200グラムほどの逸品だ。見た目はけっこう美味そう……かな?これを全部ブチこむ。
まず、これをスライスして3分ほど茹でる。じつは茹でたときのニオイは、生の状態のニオイとちょっと違って、すごくかぎ慣れたニオイがする……それは、プールのニオイだ。そう、あの塩素系消毒のニオイがするのだ。
ちょっと親近感が湧いてきたぞ。でもやっぱ食いモンとしちゃありがたくないな(-_-;)
茹で終わったらお湯を捨てて、念のため、水に1時間ほどさらしておく。
フライパンに、細かく切った鶏ムネ肉とズッキーニ、オオオニテングタケを入れ、塩で味付けして炒める。そこへトマト缶を投入して、味を整えながら、ちょっと煮詰めて完成。
できた!オオオニテングタケとズッキーニのトマト煮。うん。なんかウマそうではないか?さっそく食べてみよう。
ん!
ソテーより段違いにうまい。
まず歯触りがいい。一度茹でたこのキノコには、なめらかな質感とコシのある歯ごたえが生まれていた。いきなり油で炒めるなんてのとは、もうまるで比べ物にならない。ただ、傘の部分は少しネチョッと歯にくっつくような感触があった。
そしてニオイ。例の塩素系便所洗剤臭は確かに気になるが、他の食材と混ぜて、さらにトマトを混ぜることで、だいぶ軽減することに成功した。それでも受けつけないという人はいるかもしれないが、ほとんどの人には我慢できないレベルじゃない……ハズ。
そもそも、鶏肉や夏野菜の旨みで、料理としてはだいぶ底上げされてるので、キノコ単品のソテーより美味しいに決まっている。にしてもオオオニは脇役に徹するのが食材として分相応だ、とは言えそうだ。
そうそう、忘れていたが、この料理で本能アラームは作動しなかったし、一食で100グラムほど摂取しても体に異状は現れなかった。有毒かどうかは中毒するまでわからないが、それでも個人的な感触としてはやっぱり有毒(ただし毒性は弱い)なんじゃないかと思う。
「石橋をたたいて渡る」計画は、橋が大丈夫でないことを確認してから渡ってしまったので、無意味だったな……(苦笑)
ということで、特大悪臭キノコ・オオオニテングタケは
味ランク C 食べられなくはない
たぶん有毒(弱)
というのが私の判定である。
最後に。自分でやっといてなんだけど
皆さん!くれぐれもマネしないように
もしマネをして中毒された方は、ご自分の体をもって責任をとってくださるようお願いします(他人を巻き込まない!)。