一人の作家と出会いこりゃあいいな、と思うと他のものには目もくれず、こういう感性はどうやって磨くのかな、どんな生活しているのかな、とまで知りたくなります。藤沢周平の前にそういう気持ちにさせてくれたのが「山口瞳」でした。成人の男はかくあるべし、と教えてもらった本が「礼儀作法入門」でした。山口瞳はブックオフには持って行けないのです。蕎麦屋の酒が一番旨い、とか鴨ヌキ、天ヌキを知って真似ました。それはおそるおそる背伸びしながら塀の向こうを覗く気持ちに近い。まあ一庶民がやることですから、自分への褒美にやるくらいです。
山口瞳が泉下の客となった、と知ったときは正直かなり落胆しました。息子さんがこういう本を書いていたのですね。先記の図書館で借り一気に読みました。人って実は何も違わない、とふと思えました。
山口瞳が泉下の客となった、と知ったときは正直かなり落胆しました。息子さんがこういう本を書いていたのですね。先記の図書館で借り一気に読みました。人って実は何も違わない、とふと思えました。