核武装論の愚

北朝鮮から「ミサイル」が飛んできたことを契機にしてか、
「日本も核武装するべきだ」みたいな議論が出ているようだ。

元空軍トップの論文じみたものが
カス雑誌に出ていたので軽く立ち読みした。
これが一般的な論旨かどうかは知らぬが、
それを見る限りバカバカしいとしか思えん。

だいたい、日本が核兵器を持ったところで、
北朝鮮に対して抑止的な効果はないだろう。
国民が餓死するのを座視して
大金を注ぎ込んで「何か」を打ち上げる国が、
原爆に国民を殺されたところで、応えるものか。
むしろ、「日本に攻撃された」ことを
国内引き締めのネタにすることが目に見えている。
指導者自身は核シェルターの中でのうのうとしているだろうし。

その上、日本が核兵器を持つことは
韓国や中国を刺激し、対北朝鮮の足並みを乱すことになる。
それは結局、北朝鮮と対峙して解決すべき問題を長引かせることになり、
マイナスにしかならないのではないか。

まあ軍人なぞは、こんな理屈とは別の価値観で
「核武装すべき」と言っているのだろうから、
議論してもムダなのかな、とも思うが。
ただその価値観は、
戦後日本の前提とは相容れないものだろう。
結局、「バカにされるのが嫌だ」という
チンピラじみた感覚から出ているように感じる。
しかし、それが逆にバカにされるとは思わないのかねえ。