朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

第261回桂米朝落語研究会

2010年04月08日 19時35分48秒 | 落語・講談・お笑い
火曜は安井の金毘羅さんの米研へ。
開場10分くらい前に着いたが、既にけっこう並んでいる。
開演後も何度もお膝送りをする、なかなかの入り。


「田楽喰い」(優々):△-

マクラを振らずにネタに入っていく。
「金を持っているか」の尋ね合いから兄貴の家。
1升瓶を割る件はなし。
「ん」の字を言っていく趣向も、兄貴から持ちかける。

最初の尋ね合いがダラダラする。
あと、使う言葉に違和感がある。
「割り勘」とか、言葉が少し浮くように思う。
気にしない人は気にしないのかも知れないが。

「ん廻し」は、まあまあ。
「パンプキン」とか「でんでん虫」は、個人的に好き。
「先年神泉苑…」の言い立てで、最初から仕草をつけて言っているのだが、
1度目は「何か訳の分からんことを言っている」と兄貴・客に思わせる方が良いので、
仕草をつけない方が良いと思う。


「子ほめ」(米市):△

小米朝の弟子、ということであまり良いイメージはなかったのだが、
ウケるネタをきっちりやってウケていた。
だが優々同様、何か違和感のある言葉遣いがあったように思う。

全体に速い。
話し始めはゆっくりでも、科白の途中から次第に速くなる傾向がある。
場数を踏む内に治るとは思うが。


「短命」(二乗):△

このネタに出てくる若い男、別に抜けている訳ではないと思う。
喜丸の「職人風」の男、というのが個人的には好み。
「抜けている男がスカタン言う」というより、
ある種真面目な男が、特にイチビらずに言った結果、ずれている、
というのがこのネタの面白さだと思う。

全体に師匠米二の喋り方、表情付け、上下の振り方が目に付く。
このネタを米二から習ったのかどうかは知らないが。

隠居が「最近越してきたから知らんねやが」とか言っていた。
まあ、ずっとこの町内にいたら「別嬪のお嬢さん」のことも知っているだろうから、
ということなのだと想像するが、
別に入れなくてもよいかな、と思う。
そんな最近越してきた隠居さんのところに出入りするだろうか、という違和感の方が、
私は先に立った。

茶碗を置いて引き寄せた後、首の後ろに手を廻すのは
少しやり過ぎかな、という気がする。

隠居が「な、どうしても命が短くなるやろ」と言う前の間が足りない。
ここは、いろいろ説明した後で、
隠居は頭の中で2人が実際にやっているところを想像していると思う。
その想像している微妙な間があって、
「な、どうしても命が…」と話すのではないだろうか。

夫婦のところはまあまあ。
雀松に及ぶものでは、もちろんないが。


「時うどん」(米二):△

マクラは「食い物の恨みは恐ろしい」てな話。
この人に合った皮肉な感じで、
客もそれを分かって受け容れている様子。

2人で食べに行く形。
最初は「都々逸」ではなく「半分にする」話。初めて見た。
そんな爆笑をとれるようなものだとは思えんが、
演者のニンと相まってよくウケていた。

喜六が「7文」で清八が「8文」と言っていた。
たぶん間違い。
その場は誤魔化していたが、
後で喜六が「8文分ぼやかせてもらうわ」と言っていたし。

屋号の「松島屋」は、後の「河内屋」との転換がさほど利かないので、
あまり良いとは思えない。
「外れ屋」って不自然なのだが、
ここはやはり「当たり屋」で良いと思う。

うどんを食べる仕草、汁を飲む仕草などは流石。
ただ、喜六に渡す時に「うどんが3筋ほど泳いでいるだけ」なのだったら、
その前に食べる時も少し量が減っているとか、
何か違いが出そうな気がする。
そこまでやる必要はないのかも知れないが。

途中で刻限の説明。
不定時法までは言っていなかったが、まあ、要らないかな。

2軒目はまずいうどん屋。

全体にきっちりやっていた。
「7文」「8文」の間違いはダメだけど。


「身替り団七」(吉坊):△+

吉朝が昔、京都の会で1度だけやった小佐田作品、とのこと。
おそらく、上勉のアレなんだろうなあ。

「(ご迷惑)掛けてもらいました」の繰り返しでウケをとる。
その他、ウケを取りに行く科白は吉朝ならでは、というものが多いな。

雛助の弟子(雛蔵だっけ?)が
結局上手いのか上手くないのかがよく分からない。ブレている気がする。
噺としては、「上手い役者」としてやる方が良いと思う。
ウケは取りづらくなるだろうが。

役者の雰囲気が何となく出るのは吉坊の良いところ。
弟子と若旦那の関係って難しいと思うのだが、破綻なく進められていた。

芝居の場面に少し違和感があった。
「夏祭浪花鑑」って義太夫狂言なのだが、
団七の出の台詞のリズムが義太夫の(大阪弁の?)リズムとずれる感じ。
(ここに義太夫が入る/入らないの問題ではなく)
江戸の役者がやる「浪花鑑」の感じなのかな。

あと、個人的には見得で目を寄せ過ぎているように思う。
3つ見得をするならば、2つ目は寄せなくても良い、という感覚。

もちろん、芝居がかり、客席の科白の入れ方など
全般で見ると流石。

筋としては、舞台が終わった後の楽屋での会話でサゲになるのだが、
どうにか舞台上で終わるようにできないかな、と感じた。
その方が丁寧に芝居を見せるこのネタで、首尾一貫すると思う。
サゲの科白を考慮に入れると、なかなか難しいのだが。


「八五郎坊主」(雀三郎):○

ガラッ八の雰囲気が良い。特に最初の会話。

米粒を取りに行って食べるところ。
帰ってきてご飯を食べるのだが、
食べた後そのまま帰ってもいいかな、と思った。
後の「1粒残したか」は言いにくいだろうが。

寺に向かうところ、少し地の文が多いかな。

和尚さんは少し崩し過ぎているか、と感じるところもあったが、
枯れた感じと枯れ切っていない雰囲気もあって面白い。

サゲまで勢いもありつつ、雑になる訳でもなく進めていたと思う。


「雁風呂」(米平):△-

マクラは「水戸黄門漫遊記」の話。丁寧で良い。
ただ、どうせ「水戸黄門」の話をするならば、
由美かおる降板の話をするものではないか、と思う。

ネタは、まあ、どうってことはないものなのだが、
少し噛むことが多かったように思う。
特に「雁風呂」についての講釈をするところ。

「雁」を「がん」と読む(音読する)のは少し違和感がある。
基本は「かり」なり「かりがね」ではないかと思うのだが。
商人が「がん」と言うのは、少し堅過ぎる感じがする。
「雁首」の科白(「古より和歌敷島の道におきましても…」)から
そんな印象を持っているためかも知れないが。


「皿屋敷」(佐ん吉):○

きっちり、丁寧に演っている。
口調などに妙な吉朝臭さがないのが良い。

青山の家での事件を喋るところは、丁寧で良い。
若い連中のワチャワチャも丁寧にやっているが、
ここは丁寧さが長く感じることにつながっていた感じ。
まあ、何度も演る中で良い加減になっていくのでは、と思う。

お菊さんはもう少し手に力が入らない方が良いかな。

入れ事も丁寧に、面白い設定を伝えている。
ダフ屋とか「お菊煎餅」とか、好きなので良い。
「早よ脱げ」くらいを入れて崩しても良いかも知れない。

2回目のお菊さんでウケさせるのは、やはり難しいなあ。
サゲの科白で「2日分読んどいて」入れず。
まあ、知っている客が多いだろうから入れなくても良いかな。
コメント
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4月7日(水)のつぶやき

2010年04月08日 00時46分25秒 | つぶやき
09:14 from movatwitter
ネタ繰りしているがちと速い。もう少しペースを落として喋れるようにせねば。
11:50 from movatwitter
支給の繰下げ・繰上げ関連の整理が必要。
17:25 from movatwitter
出町柳。開場時間には間に合わないかも知れないな。
18:02 from movatwitter
京阪車内で講義聞き直し終了。明日は昼間に事前打ち合わせがあるので、択一2巡目はちょっと前詰めにする必要があるかな。
21:47 from movatwitter
「浄瑠璃息子」、義太夫の音が取れていない。雀三郎の音、テープからHDに落として繰り返し聞くようにしていこう。
23:52 from Twit for Windows
合掌。。http://tinyurl.com/yekughl巨人の木村拓也コーチが死去…意識戻らぬまま
23:54 from Twit for Windows
「絶望放送」は公開録音の感想など。DJCDが出るらしいが、映像でも見てみたい。「DJDVD」とか出ないだろうか。http://tinyurl.com/y9ko282
by kkmaru on Twitter
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