
昨日は仕事を適当に切り上げて、
例月の如く「らくご道」へ。
18時過ぎに着いたが、そこまで早く来ることもなかった。
客は前回よりも若干減っている感じ。
30人近くの入り。
「前説」(こごろう)
相撲の話、政治の話。
やはり政治の話で大きくウケをとるのは難しいな。
明るく、軽く喋っていたのだが、
面白いことを言うまでの仕込が長かったこともあり、
どうしても空気が冷たくなってしまったように思う。
「時うどん」(生喬):△+
マクラは住んでいる長屋にテレビが入る、という話から
ラーメン屋、ちょっとした幸せ、といった話など。
ラーメン屋から入ればいいのに、と思ったが、
どうしても喋りたくなってしまったのだろう。
冷蔵庫が壊れてラムネを冷やして飲んだ話なんかは、
このネタよりも「青菜」のマクラとして丁度良いと思う。
ネタは、イマイチ吹っ切れなかった気がする。
徐々に雰囲気が盛り上がっていく感じが弱かった。
都々逸なしで、喜六清八が銭を見せ合ってうどん屋に入る。
うどんは特に仕草を丁寧にする訳でない。
勢い良く食べており、
これを見た喜六は「ちゃんと残しておいてくれるか」不安になるだろうな、と
感じられた。
銭を出す前に小拍子を打つのは好みではない。
少し流れが切れる感じがする。
特に説明せず、さらっと「あかの宵から出て来よった」でバラシに入る。
2軒目のうどんも特に不味くない。
喜六の喜んでいるところ、真似をする時のクサさなどは悪くなかったが、
うどん屋の応対があまり良くない。
喜六の訳の分からん言動を見て
唖然としたり怒ったり不気味に思ったりしていく訳だが、
その辺りの感情に、あまり連続性がないように感じた。
それが盛り上がっていかなかった理由だと思う。
「延陽伯」(こごろう):△+
マクラは家庭での話。
キョンキョンの画像を見ているこごろうの恍惚とした表情が素晴らしい。
ネタは、基本的な軸・枠組みは枝雀でできているが、
けっこう自由な入れ事をしていた。
個人的には、うーん、どうかな、と感じる節、無きにしも非ず。
「皆まで言いな」の徐々に盛り上がっていく感じ、
男のちょっとイチビった性格が出ていて良い。
「言葉遣いが丁寧」と言わず、いきなり「難しい」と言っていたのだが、
まあ、これもありかな。
甚兵衛さんの解説が、アホに理解させようと丁寧に喋っている様子で、
これも良かった。
「かんやだんぶつ」(やかんと仏壇)でなく、
何か関係ないもの(忘れた)を2つ引っ繰り返していた。
その場で思いついているとすると、凄い感覚だ。
風呂屋の場面や帰ってきてのノロケ、
その後のおかみさんの名乗りは、まあ普通。
このあたりは、あまり力を入れていないのかも知れない。
「名前が長くて困る」で
「風呂行く時」と「便所行く時」にしていた。
「火事」だと緊張が勝つ、と判断したのかな。
特に良い、という程ではないが、悪くはない、というところ。
後の「偕老同穴の契り」や「ねぶか」のあたり、まあ普通。
サゲの「酔って件の如し」はおかみさんに言わせていた。
私はあまり気にしていなかったのだが、
男が「酔って件の如し」なんて難しいことを言わない、と考えれば
その手もあると思う。
少しではあるがサゲ前応対が増え、
そこでごちゃつく感じはするので、良し悪しではあるが。
対談「夕焼け日記」(生喬・こごろう)
鯉昇の「年そば」の話、
どこまでギャグを入れていくか、本筋メインでいくか、といった話など。
「笑福亭」と「枝雀一門」の発想や優先順位の違いが垣間見えつつ、
でも「時うどん」「子ほめ」なんかはウケないとダメだろう、
という認識は共通しているあたりが興味深い。
大看板の、特に何か「ギャグを入れよう」としていない小ネタは、
確かに面白いだろうな。