朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

らくご道(2011年3月)

2011年03月10日 22時17分16秒 | 落語・講談・お笑い
昨日は例月の如く「らくご道」へ。


前説(生喬)

神戸オリエンタルの枝鶴襲名で口上に並んだ話。
伯枝が司会で生喬が口上を述べる側に回るのは
芸歴としては確かに妙だが、
風格やら口上の内容やらを考えると、
妥当なのかも知れない。


「牛ほめ」(こごろう):△-

「喜ばれることが対価」といったマクラ。
分かるような、イマイチ分からないようなことをいろいろと。
落語に限らず、仕事にも展開できそうな話ではある。

ネタの出来は良くない。
アホが最初に褒めに行ったところで話を飛ばして後になって気付き、
少し戻ってやり直していた。
木の鼻の件を抜かし、「燃えたら一晩」で怒って外に飛び出していたのだが、
戻ってやり直したところで私は初めて気付いた。
本筋には関係ないので、別に気にせず続けても良い部分だと思うのだが。

ただ、飛ばしたことだけが悪いのではなく、
元々おっさん、アホの喋り方が流れがちで殆どウケがなかったのが
最終的に抜けてしまうことにつながったのだと思う。
この「流れる」感じは、
結局最後まで続いてしまったように感じた。


「鴻池の犬」(生喬):○

マクラは遊方の披露宴の話をたっぷりと。
普通の話、楽屋内っぽい話が上手く混ざっている感じ。

「運不運」の話からネタに入る。
直前の(たぶん)道歌が、
このネタの「兄弟でも運不運がある」話につながって良い。

私は「鴻池の犬」ってあまり好きなネタではないのだが、
生喬の演り方は、まあ、ありかな、と思った。

最初の旦那が丁稚を起こすところ、
声を落として話すところが夜明けの雰囲気っぽくて良い。
ただ若干科白数が多い感じ。
もう少しさらっと丁稚が出て行けば良いと思う。

「お隣が引きずってきた」ところ、
少し悲しがったり憤りがあるように見えたのだが、
隣との付き合いも長いので、もう少しさらっと、
「諦め」メインで言えば良いと思う。

犬を可愛がる丁稚の様子が良い。
ここが、後でシロが述懐する場面につながっていく。

鴻池の番頭も、大店の使用人の風格があって良かった。
それを受けての旦那は、引き出物を見て初めて断る、という感じだったのだが、
個人的には最初の「良い日を選んで」と言われた時点で断る方向で考えており、
引き出物で決定的になった、という作りの方が良いと思う。

シロの述懐がけっこうクサい。
丁稚には可愛がられていた話で、
病気になって一度捨てられたが帰ってきたときに
薬を塗ってもらうところ、
やはり盗み食いやらをしてしまうのでまた捨てられるところ、
店の人に叩き出される、というより自分で途中で帰るのをやめるところ、
よく考えて工夫されていると思う。
ただ個人的に好みかというと、そうでもない。
ここで締め過ぎることで、後の緩和が効き切らなかったのではないか。

後の対談で
「鴻池善右衛門」と「自転車」が出てくるのはどんな時代背景か、という話があったが、
個人的には明治時代ということで、特に時代背景の違和感はなかった。

クロとシロはほぼ双子だと思うのだが、
そこから考えると、クロの
「この頃、年で、油っぽいものは要らん」といった科白が引っかかる。
クロを年上の、しっかりした親分として描き過ぎているのでは、と思う。

サゲを変えており、
特に必要もないので「こいこい」も言っていなかった。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」に掛けてのサゲ。
ただこれを聞くと、元の「ボンにおしっこ」も良いな、と逆に感じた。
元のサゲだと、
途中で犬の世界に入り、その中で犬だけが登場人(犬)物の物語を進めるのだが、
最後の最後に「犬の愚かさ」「鴻池の犬、と言いつつ、所詮は畜生」という
人間の世界からの観点に戻る感じがする。
それは、元々可愛がっていた旦那や丁稚が、
病気になると掌を返したように「出て行け」と言うようになるところと共通の、
人間の移ろいやすさやエゴ、理不尽さと共通しているように思う。
そのような側面を出す必要はない、と言うのであれば、
終わりの符号を付けるこのサゲでも悪くないだろう。


対談「夕焼け日記」(生喬・こごろう)

「鴻池の犬」の話メイン。
けっこう生喬はこのネタに思い入れがあるのだと思う。
こごろうも演るネタなので、
思いつきで2人とも、様々な工夫を挙げていた。
実際にできるかどうかは兎も角、
聞いていて興味深かった。


21時過ぎ終演。
一応徳徳亭での会は3月までで、
4月からはワッハの上方亭に戻る予定だそうな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3月9日(水)のつぶやき

2011年03月10日 01時23分04秒 | つぶやき
05:16 from Twit for Windows
起床。相変わらず、何か目が痒い。しばらくこの苦しき日々が続くのであろう。
05:43 from web
現実には大学の力でカンニング犯を見つけることはできなかっただろうから、見つける必要がある前提ならば、被害届はやむを得ないかな、と思う。起訴・有罪まで持っていくのは無理だろうけど。>投稿事件で被害届、京大に抗議殺到 同志社は学内対応 http://t.asahi.com/1jf6
05:50 from Twit for Windows
「くれしま」の書き込みなんか消せばいいのに。あんなクソ店。
06:35 from Tweet Button
空疎な駄文を書きなぐっていた人、という印象しかないから、残念とも思わない。ざまあみろ、とすら思わない。>訃報:谷沢永一さん81歳 保守派論客、関西大学名誉教授 - 毎日jp(毎日新聞) http://t.co/qdyM4pN via @mainichijpnews
06:53 from Tweet Button
回答している人はそこそこ関心がある人だろうから、これを検事全体の総意ととるのは危険だろうが、まあ、1つの傾向。>証拠改ざん事件:検事半数「組織に問題」 毎日新聞調査 - 毎日jp(毎日新聞) http://t.co/OWV7R1m via @mainichijpnews
07:26 from goo
全部、阿呆 #goo_kkmaru http://bit.ly/hB8ujN
17:23 from モバツイ
仕事終わり。ミナミへ向かう。
17:42 from モバツイ
覚書。「医療経営士」のテキスト、金出して買うほどのものじゃない。「人的資源管理」なんて、100ページに満たない。
21:13 from モバツイ
「らくご道」終わって飲み。「鴻池の犬」ってあまり好きでないネタなのだが、今日のはいろいろ考えられて良かった。
23:29 from モバツイ
帰宅。季節外れの雪が降ってる。
23:53 from web
愚行を許さない無菌の街は、ちょっとした汚れにも耐えられず、滅びていく。東京都連の言っていることも、たまには正しいと思うのう。老醜慎太郎に拘るのは愚かなれど。>松沢氏、東京でも「受動喫煙防止条例」 都知事選公約に http://t.asahi.com/1jti
by kkmaru on Twitter
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする