昨日は仕事の後、「高津の富亭」へ。
腹ごしらえをしたり、立ち読みをしたりしたので
開場時間を過ぎてから会場に着いた。
「ねたのたね」にも載っていなかったし、
大して客も多くないだろう、と思っていたら、
案に相違して既に15人くらいの入り。
結局40人くらい入っていたかな。
前説(たま)
今回のネタについての話など。
「延陽伯」(飛梅):△-
初めて見た。
最初の「鳴り止まぬ拍手」やら納まった喋り方やら、
「習っていない部分を本などで覚えた内容で埋める」と言うことやら、
不快感を持ってしまった。
ネタに入っても間違いが多い。
その内容も、単なる言い間違いではなく、
科白の意味を理解しないまま覚えて喋っているだけ、
だからの間違いと感じるものが散見された。
延陽伯の科白って、単に訳の分からんことを言っているのではなく、
全て意味がある言葉なんだけどねえ。
もっと真面目に落語をした方が良いと思うんだけど。
まあ、師匠として松枝を選ぶセンスでは、
仕方ないのかも知れないが。
「京の茶漬」(たま):△+
大阪の人間が、京都の「お茶漬けでも」の茶漬けを食べようとする、というのが
このネタの本来の軸であり、趣向だと思うのだが、
そこを変えていた。
個人的にはその趣向そのものが、このネタを不愉快と感じてしまう理由なので、
まあ、不愉快にならずに済んだのではあるが、
それならばこんなネタやらなくても良いのでは?と感じてしまった。
ステレオタイプな「大阪人」が
ギャアギャア喚いて引っ掻き回す、というネタにしていたのだが、
それならば「茶漬」の話にせず、
他の設定で締めた方が面白いネタにできたのでは?と思う。
部分部分では面白いやりとりや表情付けもあったし、
ウケてもいた。
サゲのあたりで地の文が多く、
個人的には少しくどい印象。
「敵討忠義の男色」(南青):△+
男色の話。
南左衛門が歌舞伎で出演した演目なのかな?
最初、年上の男(最後切腹することになる)が
「細川の家来だった」と言っていたように記憶しているのだが、
だとすると最後の場面で細川の殿がこの男を知らない、と言うのは
おかしくないか?
その違和感を、個人的には少し引きずってしまった。
男色の場面を濃密に描く訳ではなく。
地の文での説明は酷かったが。
「茶屋迎い」(たま):○-
三三(「不孝者」)から習ったらしい。
最初から「親不孝者め」と繰り返し言っており、
仕込としても少しクドいかな、とも思ったが、
そこまでやらないとサゲの転換が利かないのかも知れない。
熊はん、杢兵衛、番頭と次々帰ってこないあたり、
上手く小拍子を打って切れ良く進めていた。
女と出会うところ、旦那の方が先に気付いていた。
まあ、頬かむりをしているから、女の方から気付くのは不自然かも知れないが、
個人的には女の方から気付く方が
「思いを引きずっていた」ところが現れると思うので、好み。
たまの声ははっきり通るのだが、
陰影がないので、少し余情が不足する感じ。
旦那と女の会話で、思いが薄く感じられた。
感情・思いがハラにあり、そこから科白が流れ出すようにして欲しいのだが、
科白から造っているように思う。
サゲ直前の盛り上げるところは、
個人的には「白粉の匂い」を入れて
視覚・聴覚・触覚だけでなく、嗅覚からも盛り上がるほうが好み。
「質屋芝居」(たま):○
技術的に特に上手いという訳ではないが、
彼の声質、動き、表情付けが芝居噺に合っているのかな。
特に師直や鷺坂伴内といった悪役・チャリが
活き活きしていて良かった。
科白はけっこう粗いところ、
客の科白をもっときっちりやったらウケるのに、と思うところもあったが、
勢いで押していて、それはそれで良いのかな。
どうせ「質屋芝居」やるならば、
伴内の「尽くし」を入れて欲しいところではある。
全体には満足。
腹ごしらえをしたり、立ち読みをしたりしたので
開場時間を過ぎてから会場に着いた。
「ねたのたね」にも載っていなかったし、
大して客も多くないだろう、と思っていたら、
案に相違して既に15人くらいの入り。
結局40人くらい入っていたかな。
前説(たま)
今回のネタについての話など。
「延陽伯」(飛梅):△-
初めて見た。
最初の「鳴り止まぬ拍手」やら納まった喋り方やら、
「習っていない部分を本などで覚えた内容で埋める」と言うことやら、
不快感を持ってしまった。
ネタに入っても間違いが多い。
その内容も、単なる言い間違いではなく、
科白の意味を理解しないまま覚えて喋っているだけ、
だからの間違いと感じるものが散見された。
延陽伯の科白って、単に訳の分からんことを言っているのではなく、
全て意味がある言葉なんだけどねえ。
もっと真面目に落語をした方が良いと思うんだけど。
まあ、師匠として松枝を選ぶセンスでは、
仕方ないのかも知れないが。
「京の茶漬」(たま):△+
大阪の人間が、京都の「お茶漬けでも」の茶漬けを食べようとする、というのが
このネタの本来の軸であり、趣向だと思うのだが、
そこを変えていた。
個人的にはその趣向そのものが、このネタを不愉快と感じてしまう理由なので、
まあ、不愉快にならずに済んだのではあるが、
それならばこんなネタやらなくても良いのでは?と感じてしまった。
ステレオタイプな「大阪人」が
ギャアギャア喚いて引っ掻き回す、というネタにしていたのだが、
それならば「茶漬」の話にせず、
他の設定で締めた方が面白いネタにできたのでは?と思う。
部分部分では面白いやりとりや表情付けもあったし、
ウケてもいた。
サゲのあたりで地の文が多く、
個人的には少しくどい印象。
「敵討忠義の男色」(南青):△+
男色の話。
南左衛門が歌舞伎で出演した演目なのかな?
最初、年上の男(最後切腹することになる)が
「細川の家来だった」と言っていたように記憶しているのだが、
だとすると最後の場面で細川の殿がこの男を知らない、と言うのは
おかしくないか?
その違和感を、個人的には少し引きずってしまった。
男色の場面を濃密に描く訳ではなく。
地の文での説明は酷かったが。
「茶屋迎い」(たま):○-
三三(「不孝者」)から習ったらしい。
最初から「親不孝者め」と繰り返し言っており、
仕込としても少しクドいかな、とも思ったが、
そこまでやらないとサゲの転換が利かないのかも知れない。
熊はん、杢兵衛、番頭と次々帰ってこないあたり、
上手く小拍子を打って切れ良く進めていた。
女と出会うところ、旦那の方が先に気付いていた。
まあ、頬かむりをしているから、女の方から気付くのは不自然かも知れないが、
個人的には女の方から気付く方が
「思いを引きずっていた」ところが現れると思うので、好み。
たまの声ははっきり通るのだが、
陰影がないので、少し余情が不足する感じ。
旦那と女の会話で、思いが薄く感じられた。
感情・思いがハラにあり、そこから科白が流れ出すようにして欲しいのだが、
科白から造っているように思う。
サゲ直前の盛り上げるところは、
個人的には「白粉の匂い」を入れて
視覚・聴覚・触覚だけでなく、嗅覚からも盛り上がるほうが好み。
「質屋芝居」(たま):○
技術的に特に上手いという訳ではないが、
彼の声質、動き、表情付けが芝居噺に合っているのかな。
特に師直や鷺坂伴内といった悪役・チャリが
活き活きしていて良かった。
科白はけっこう粗いところ、
客の科白をもっときっちりやったらウケるのに、と思うところもあったが、
勢いで押していて、それはそれで良いのかな。
どうせ「質屋芝居」やるならば、
伴内の「尽くし」を入れて欲しいところではある。
全体には満足。