昨日は仕事後鶴橋へ。
けっこう早めに出ると、18時過ぎに着くことができた。
もう少しのんびり出ても良かったか。
客数は、いつもより少し少なめかな。
「米揚げ笊」(小鯛):△+
特にマクラも振らず、ネタに入る。
はっきり通る声で、きっちり喋っている。
若干、登場人物の感情は薄いか。
そのあたりが、堂島に行ってからウケていない原因の一つだろう。
アホにしても、焦っている男や堂島の旦那にしても、
もう少し感情を持って、派手に喋れれば尚良いと思う。
「始末の極意」(雀三郎):○+
マクラが「始末・倹約が良いばかりではない」という観点の話。
このマクラが、「始末を紹介する」2人の非常識さ、
「それはやり過ぎだろう」と感じさせるところにつながって良かった。
「わしも要らんらしい」の小咄が、
このネタのテーマの象徴なのだと思う。
ネタは、まあ始末のエピソードの羅列みたいなものだが、
2人の登場人物に気が入っており、
聞いていて快い。
特に「汁の実」の菜を買うところが素晴らしい。
「10銭」と言われた時に振売りの商人に感情移入して腹を立ててしまったり、
「2割増しの3割増しのといったケチなことは言わん」と言われた時に
思わず「当たり前や」と(客から)ツッコミそうになるくらいの憎たらしさ。
「鰻と梅干で食い合わせ」は個人的に好きなのだが、
少し理に詰まったところがあり、大ウケさせるのは難しいのだろうな。
住吉さんも良かったが、やはり難しい。
「お下がりを」でウケていたのは、
住吉さんの話に入るまでにきっちり「始末屋」であることが印象付けられており、
「この人ならばやるだろう」と感じさせられたからだろう。
一度帰らず、そのまま裏に行く。
「真っ暗」や「夜は年中裸」といったエピソードに拘らないのであれば、
その方がすっきりして良いと思う。
サゲの仕草は少し分かりづらいか。
いきなり前でお金の形をするよりも、
(ベタでも)上で枝を掴んでいる指の形から
前に降ろしてくる方が良いのでは、と思う。
「妙齢女子の微妙なところ」(あやめ):△+
マクラは「年齢に合わせてこんなネタを作ってきた」という紹介など。
あまりプロが扱う題材ではないと思うのだが、
自分やネタを突き放し、醒めた目で語るところが芸人くさくて良かった。
ネタは、この人がよく演っている女3人の「ぶっちゃけ話」。
上下とか、人物描写とか、きっちりしているとは思えないが、
題材の面白さ、自分が感情移入できる話をしていこう、というスタンスで、
これはこれで良いと思う。
個人的には性別も違うし、年齢も違うので、
「そんな話もあるんだな」という程度の関心の持ち方。
「上がる」への感情の爆発の仕方が面白かった。
あまり言い過ぎて引かない、程の良いバランスかな。
「妙という字は女が少ないと書く」は誰でも思い付くだろうから、
もっと早く言うか、言わない方が良いと思う。
女子高生の描写に違和感があった。
ちとパターン化し過ぎている印象。
私が「いくらなんでも、そんな奴おれへんやろ」と感じているためだと思うが。
「愛宕山」(雀三郎):○
幇間として「単に合わせるだけでなく、逆らう芸もある」というマクラ。
この観点はあまりなかったので興味深かった。
ただ、それがあまりネタに反映されていなかったようには思う。
野辺の場面から、
旦那や芸者舞妓の間を幇間が動き回っている雰囲気が出ている。
このあたりは目線、姿勢といった
雀三郎の技術的な部分の確かさからだろう。
あと、蝶を捕まえない一八に対する
旦那の「うるさいから聞いてやれ」という感情が色濃く出ていたのが興味深かった。
この旦那の、別に芸者舞妓にべったりではない感じ。
「このあたり、まだ梅が咲いている」から「梅にも春」になり、
「この唄、山登りに合わん」につながる流れが明確。
また、幇間2人の歩く様子から
道の上に枝が張り出して、そこから木洩れ日が覗く、という絵が何となく浮かんだ。
一八が「弁当を持つ」と言い出し、
その後尻を突く側に回らされる、という
「損をする側」になるという設定で一貫している。
「愛宕山坂」で登っていくところ、
オーバーなアクション、最後倒れてしまうところは枝雀の影響が強いが、
何となくダラダラする感じ。
自然ではあるのだが、
「次第に坂が急になっていく」部分が少し弱いのかな、と思う。
弁当を食べるところ、茶店、かわらけ投げはごく普通に。
「68枚」と気分で言ってしまっていたが、
ここは抑えて(あるいは一八の「沢山」という気で)
「1000枚」と言い切る必要があると思う。
飛ぶところは何となくあっさりしていた気がする。
「金が欲しい」感情が弱いため、
その逆の「でも飛べない」悔しさ、無念さが弱くなってしまったためだと思う。
飛んだ後、拾って戻るまで、普通に、丁寧にやっていた。
サゲは枝雀同様倒れる形だが、まあ、そこまでやらんでも良いかな。
このあたりも、「金が欲しい」感情が強くないと「旦那さん、ただいま」が薄くなり、
サゲでの転換も弱くなってしまうのではないか、と思う。
けっこう早めに出ると、18時過ぎに着くことができた。
もう少しのんびり出ても良かったか。
客数は、いつもより少し少なめかな。
「米揚げ笊」(小鯛):△+
特にマクラも振らず、ネタに入る。
はっきり通る声で、きっちり喋っている。
若干、登場人物の感情は薄いか。
そのあたりが、堂島に行ってからウケていない原因の一つだろう。
アホにしても、焦っている男や堂島の旦那にしても、
もう少し感情を持って、派手に喋れれば尚良いと思う。
「始末の極意」(雀三郎):○+
マクラが「始末・倹約が良いばかりではない」という観点の話。
このマクラが、「始末を紹介する」2人の非常識さ、
「それはやり過ぎだろう」と感じさせるところにつながって良かった。
「わしも要らんらしい」の小咄が、
このネタのテーマの象徴なのだと思う。
ネタは、まあ始末のエピソードの羅列みたいなものだが、
2人の登場人物に気が入っており、
聞いていて快い。
特に「汁の実」の菜を買うところが素晴らしい。
「10銭」と言われた時に振売りの商人に感情移入して腹を立ててしまったり、
「2割増しの3割増しのといったケチなことは言わん」と言われた時に
思わず「当たり前や」と(客から)ツッコミそうになるくらいの憎たらしさ。
「鰻と梅干で食い合わせ」は個人的に好きなのだが、
少し理に詰まったところがあり、大ウケさせるのは難しいのだろうな。
住吉さんも良かったが、やはり難しい。
「お下がりを」でウケていたのは、
住吉さんの話に入るまでにきっちり「始末屋」であることが印象付けられており、
「この人ならばやるだろう」と感じさせられたからだろう。
一度帰らず、そのまま裏に行く。
「真っ暗」や「夜は年中裸」といったエピソードに拘らないのであれば、
その方がすっきりして良いと思う。
サゲの仕草は少し分かりづらいか。
いきなり前でお金の形をするよりも、
(ベタでも)上で枝を掴んでいる指の形から
前に降ろしてくる方が良いのでは、と思う。
「妙齢女子の微妙なところ」(あやめ):△+
マクラは「年齢に合わせてこんなネタを作ってきた」という紹介など。
あまりプロが扱う題材ではないと思うのだが、
自分やネタを突き放し、醒めた目で語るところが芸人くさくて良かった。
ネタは、この人がよく演っている女3人の「ぶっちゃけ話」。
上下とか、人物描写とか、きっちりしているとは思えないが、
題材の面白さ、自分が感情移入できる話をしていこう、というスタンスで、
これはこれで良いと思う。
個人的には性別も違うし、年齢も違うので、
「そんな話もあるんだな」という程度の関心の持ち方。
「上がる」への感情の爆発の仕方が面白かった。
あまり言い過ぎて引かない、程の良いバランスかな。
「妙という字は女が少ないと書く」は誰でも思い付くだろうから、
もっと早く言うか、言わない方が良いと思う。
女子高生の描写に違和感があった。
ちとパターン化し過ぎている印象。
私が「いくらなんでも、そんな奴おれへんやろ」と感じているためだと思うが。
「愛宕山」(雀三郎):○
幇間として「単に合わせるだけでなく、逆らう芸もある」というマクラ。
この観点はあまりなかったので興味深かった。
ただ、それがあまりネタに反映されていなかったようには思う。
野辺の場面から、
旦那や芸者舞妓の間を幇間が動き回っている雰囲気が出ている。
このあたりは目線、姿勢といった
雀三郎の技術的な部分の確かさからだろう。
あと、蝶を捕まえない一八に対する
旦那の「うるさいから聞いてやれ」という感情が色濃く出ていたのが興味深かった。
この旦那の、別に芸者舞妓にべったりではない感じ。
「このあたり、まだ梅が咲いている」から「梅にも春」になり、
「この唄、山登りに合わん」につながる流れが明確。
また、幇間2人の歩く様子から
道の上に枝が張り出して、そこから木洩れ日が覗く、という絵が何となく浮かんだ。
一八が「弁当を持つ」と言い出し、
その後尻を突く側に回らされる、という
「損をする側」になるという設定で一貫している。
「愛宕山坂」で登っていくところ、
オーバーなアクション、最後倒れてしまうところは枝雀の影響が強いが、
何となくダラダラする感じ。
自然ではあるのだが、
「次第に坂が急になっていく」部分が少し弱いのかな、と思う。
弁当を食べるところ、茶店、かわらけ投げはごく普通に。
「68枚」と気分で言ってしまっていたが、
ここは抑えて(あるいは一八の「沢山」という気で)
「1000枚」と言い切る必要があると思う。
飛ぶところは何となくあっさりしていた気がする。
「金が欲しい」感情が弱いため、
その逆の「でも飛べない」悔しさ、無念さが弱くなってしまったためだと思う。
飛んだ後、拾って戻るまで、普通に、丁寧にやっていた。
サゲは枝雀同様倒れる形だが、まあ、そこまでやらんでも良いかな。
このあたりも、「金が欲しい」感情が強くないと「旦那さん、ただいま」が薄くなり、
サゲでの転換も弱くなってしまうのではないか、と思う。