昨日は仕事の後、「落語みゅーじあむ」へ。
家からも仕事場からも自転車で行ける距離なのだが、
あまり頻繁に行っている訳でもない。
「落語みゅーじあむ」そのものは2回目、
ここでの落語会に行くのは初めて。
入ってみると団体客(後で聞くと岐阜らしいが)が多かった。
それを含めてほぼ満員の入り。
「初天神」(雅):△-
この人を見るのは初めて。
マクラは落研でやりそうな、家族や身の回りを取り上げたもの。
妹が「保育園の保母さん」らしいが「幼稚園」と言い間違えたところもあり、
ちと混乱した。
ネタは雑。
家や向かいのおっさんの家に入っての上下、
飴が何に入っていてどのように摘んでいるか、
みたらしの重みや団子の形など、
絵が浮かんでこない。
適当にやっている。
あと、上下を振る時に真っ直ぐ左右を向けていない。
首を曲げて下から上がってくる。
デンプシーロールじゃあるまいし。
これ、眞もやっていた気がする。
まあ、師匠がきちんと見ていないんだろうな。
見る気・能力がない師匠に入門してしまったら仕方がないが、
ただそれも、そんな師匠を選択したその身の科。
「漫談」(枝三郎):△+
雅のウケが悪かったので、後に向けて少しでも客席を暖めるためにか、
出番がない枝三郎が出てきた。
スーツ・ネクタイ姿で高座に上がってうだうだ言っている。
別に目新しさもオリジナリティもほとんどない、
ベタなネタをやっていた。
愛嬌の中、ところどころに毒や刃を持っているのは嫌いではないし、
客席を暖めるという役割は果していたと思う。
最後の小咄は「岐阜」ではなく
「下呂」で落としても良かったかな。
「阿弥陀池」(文華):○-
マクラは「今日の会場・客席が良い」話でそれに相対する様々な体験談など。
これもよくやっているネタなんだろうが、
感情が前に出ており、自然で面白かった。
ネタは、まあ、普通といえば普通。
ただ、クドくなりがちなこのネタで、
さらっと流すところはさらっと流して聞き易くしていた。
尼さんの語る山本大尉の話は、
もう少し重めに、講釈も感じさせるリズムでやった方が
後の転換が効くとは思う。
また、仕込みの段階では「誰が行けと言うた」を入れていなかったが、
これは抜けただけだろう。
サゲでは言っていた。
首は座らせているように中空で掻き落としていた。
その方が見えやすいかも知れないが、
別に横になった状態で切っても良いと思う。
1軒目。
「手が切れて腕ボロボロ」から元を分かるところ、
「こんな説明でよく分かるな」とか言っていたが、
自己言及的なギャグであまり好きではない。
あと、個人的には「西宮」は「鯛を持っているえべっさん」の絵を浮かべつつ
勢いで「西宮」と言ってしまっている、と思うのだが、
まあ、そこまで気にせず、単にイチビっても良いか。
2軒目の人は「隣町のアホか」と受ける。
繰り返しでウケるし、アホであることの伝わり度合が見えて良いが、
この段階で「隣町に来ている」ことを明かすことで
「西の辻に米屋はない」あたりがウケず、
わざわざ言い回っているバカバカしさが薄れてしまっていたように思う。
ごくあっさり説明は流し
(1軒目の失敗をしないように思い出しながらやっている様子も見せ)、
相手の男の嘆きに持っていく。
説明の最後の方は、本当にきちんと言っていなかった。
「こんな話、聞いたか」に向けてアホのテンションを上げ、
相手の男の嘆きと差をつけるためには、
流さず進めた方が良いと思う。
「留守番頼む」の言い方は、隣町の人でもありそこまで親しくない感じで、
自然で良かった。
「禁酒関所」(小染):○-
酔っ払いマクラからネタへ。
「禁酒関所」が設置された経緯の説明は、あまり整理されていない。
「松本の旦那」でやっていた。
店で飲む際に、飲み干した後で吸ったりしてウケをとっていたが、
そこまでやらなくても、と思う。
あくまでも侍であり、
後の門番よりも品良く作った方が良いと感じる。
店の連中がワアワア騒いで、
楽しみつつ酒をもっていこうとする雰囲気が良い。
門番は「役目の手前やむを得ず」を繰り返す形。
役人の「役得」の感じが良い。
水カステラの瓶の蓋を開けた時(後の油徳利の時も)に
謹直だった役人の表情が崩れる。
よくウケていたが、少しあざといとも感じる。
ひとしきり飲んだ後で丁稚を「偽り者」と怒鳴りつけるところ、
飲む場面から怒鳴るところへ移る際のリズムが少し悪かったように思う。
飲み方は流石だし、
酔った時の表情・呂律の回らなさは素晴らしいのだが、
酒屋の店員と相対する時の手の動きが
あまり酔っているように見えなかった。
2人目はさらっと飲んですぐに怒鳴る。
もう少し飲む場面を見せる方が好み。
小便を詰める場面も楽しげ。
「店の漏斗を持ってくる」「洗ったら宜しい」あたりでウケるのは
「小便を飲ませる」のが仕返しというよりも
イベントとして楽しむ意識の方が強いからでは、と思う。
2人で2升飲んだ門番は何を言っているか分からないし、
体勢も維持できない状態で良かった。
油と同様、徳利の周りをべちゃべちゃにしても良いかな、とも思ったが、
そこまでやると少しクドくなるかも知れない。
嗅いで違和感を持つのは良いのだが、
もう1人の門番に「貴殿から」と勧めるのは
あまり良くないと思う。
そこまで違和感を持つのであれば、もう飲まないのでは、と感じる。
もし「貴殿から」と勧めるのであれば、
「水カステラ」「油」の際も、勧めたり、
「自分からで申し訳ない」とか言って仕込んでおいた方が良いだろう。
サゲの「正直者め」の前、
少し間を取る方が自然とは思う。
全体に勢いがあり、陽気で、
酔っ払いをさほど不愉快に感じずに済んで良かった。
家からも仕事場からも自転車で行ける距離なのだが、
あまり頻繁に行っている訳でもない。
「落語みゅーじあむ」そのものは2回目、
ここでの落語会に行くのは初めて。
入ってみると団体客(後で聞くと岐阜らしいが)が多かった。
それを含めてほぼ満員の入り。
「初天神」(雅):△-
この人を見るのは初めて。
マクラは落研でやりそうな、家族や身の回りを取り上げたもの。
妹が「保育園の保母さん」らしいが「幼稚園」と言い間違えたところもあり、
ちと混乱した。
ネタは雑。
家や向かいのおっさんの家に入っての上下、
飴が何に入っていてどのように摘んでいるか、
みたらしの重みや団子の形など、
絵が浮かんでこない。
適当にやっている。
あと、上下を振る時に真っ直ぐ左右を向けていない。
首を曲げて下から上がってくる。
デンプシーロールじゃあるまいし。
これ、眞もやっていた気がする。
まあ、師匠がきちんと見ていないんだろうな。
見る気・能力がない師匠に入門してしまったら仕方がないが、
ただそれも、そんな師匠を選択したその身の科。
「漫談」(枝三郎):△+
雅のウケが悪かったので、後に向けて少しでも客席を暖めるためにか、
出番がない枝三郎が出てきた。
スーツ・ネクタイ姿で高座に上がってうだうだ言っている。
別に目新しさもオリジナリティもほとんどない、
ベタなネタをやっていた。
愛嬌の中、ところどころに毒や刃を持っているのは嫌いではないし、
客席を暖めるという役割は果していたと思う。
最後の小咄は「岐阜」ではなく
「下呂」で落としても良かったかな。
「阿弥陀池」(文華):○-
マクラは「今日の会場・客席が良い」話でそれに相対する様々な体験談など。
これもよくやっているネタなんだろうが、
感情が前に出ており、自然で面白かった。
ネタは、まあ、普通といえば普通。
ただ、クドくなりがちなこのネタで、
さらっと流すところはさらっと流して聞き易くしていた。
尼さんの語る山本大尉の話は、
もう少し重めに、講釈も感じさせるリズムでやった方が
後の転換が効くとは思う。
また、仕込みの段階では「誰が行けと言うた」を入れていなかったが、
これは抜けただけだろう。
サゲでは言っていた。
首は座らせているように中空で掻き落としていた。
その方が見えやすいかも知れないが、
別に横になった状態で切っても良いと思う。
1軒目。
「手が切れて腕ボロボロ」から元を分かるところ、
「こんな説明でよく分かるな」とか言っていたが、
自己言及的なギャグであまり好きではない。
あと、個人的には「西宮」は「鯛を持っているえべっさん」の絵を浮かべつつ
勢いで「西宮」と言ってしまっている、と思うのだが、
まあ、そこまで気にせず、単にイチビっても良いか。
2軒目の人は「隣町のアホか」と受ける。
繰り返しでウケるし、アホであることの伝わり度合が見えて良いが、
この段階で「隣町に来ている」ことを明かすことで
「西の辻に米屋はない」あたりがウケず、
わざわざ言い回っているバカバカしさが薄れてしまっていたように思う。
ごくあっさり説明は流し
(1軒目の失敗をしないように思い出しながらやっている様子も見せ)、
相手の男の嘆きに持っていく。
説明の最後の方は、本当にきちんと言っていなかった。
「こんな話、聞いたか」に向けてアホのテンションを上げ、
相手の男の嘆きと差をつけるためには、
流さず進めた方が良いと思う。
「留守番頼む」の言い方は、隣町の人でもありそこまで親しくない感じで、
自然で良かった。
「禁酒関所」(小染):○-
酔っ払いマクラからネタへ。
「禁酒関所」が設置された経緯の説明は、あまり整理されていない。
「松本の旦那」でやっていた。
店で飲む際に、飲み干した後で吸ったりしてウケをとっていたが、
そこまでやらなくても、と思う。
あくまでも侍であり、
後の門番よりも品良く作った方が良いと感じる。
店の連中がワアワア騒いで、
楽しみつつ酒をもっていこうとする雰囲気が良い。
門番は「役目の手前やむを得ず」を繰り返す形。
役人の「役得」の感じが良い。
水カステラの瓶の蓋を開けた時(後の油徳利の時も)に
謹直だった役人の表情が崩れる。
よくウケていたが、少しあざといとも感じる。
ひとしきり飲んだ後で丁稚を「偽り者」と怒鳴りつけるところ、
飲む場面から怒鳴るところへ移る際のリズムが少し悪かったように思う。
飲み方は流石だし、
酔った時の表情・呂律の回らなさは素晴らしいのだが、
酒屋の店員と相対する時の手の動きが
あまり酔っているように見えなかった。
2人目はさらっと飲んですぐに怒鳴る。
もう少し飲む場面を見せる方が好み。
小便を詰める場面も楽しげ。
「店の漏斗を持ってくる」「洗ったら宜しい」あたりでウケるのは
「小便を飲ませる」のが仕返しというよりも
イベントとして楽しむ意識の方が強いからでは、と思う。
2人で2升飲んだ門番は何を言っているか分からないし、
体勢も維持できない状態で良かった。
油と同様、徳利の周りをべちゃべちゃにしても良いかな、とも思ったが、
そこまでやると少しクドくなるかも知れない。
嗅いで違和感を持つのは良いのだが、
もう1人の門番に「貴殿から」と勧めるのは
あまり良くないと思う。
そこまで違和感を持つのであれば、もう飲まないのでは、と感じる。
もし「貴殿から」と勧めるのであれば、
「水カステラ」「油」の際も、勧めたり、
「自分からで申し訳ない」とか言って仕込んでおいた方が良いだろう。
サゲの「正直者め」の前、
少し間を取る方が自然とは思う。
全体に勢いがあり、陽気で、
酔っ払いをさほど不愉快に感じずに済んで良かった。