朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

第107回雀三郎つるっぱし亭

2012年06月01日 16時39分25秒 | 落語・講談・お笑い
昨日は「つるっぱし亭」へ。
前月よりは多かったが、それでも30人程度の入り。
他に良さそうな落語会も確かに多かったが、勿体ないなあ。


「阿弥陀池」(鯛蔵):△

特にマクラを振らずにネタへ。

きちんと喋ろうとしているようだが、ウケにはつながっていない。
アホの一貫性がなく、アホな科白を言う時だけアホになっている感じ。
作っている感じが見えてしまう。
また、全体にツッコミがキツく、少し笑いが起こってもそれが増幅せず、
ツッコミでかき消してしまっている印象。
全体にのんびりした雰囲気に欠けるなあ。

少し余計な科白があったり、
微妙にトチるところがあって流れを損ねるところが散見された。
ちと高座が暑かったのかも知れない。


「猫の忠信」(雀三郎):○+

浄瑠璃のマクラと、踊りを習っている、というマクラ。
後者は初めて聞いたが面白く、
このネタの「お師匠さん目当てで通っている」気につながるあたりが良い。

ネタは次郎吉の抜けた感じ、でも色気目当てで通っている感じが
ベースとして明確であり、安心して楽しめる。
吉朝とは違う方向だが、これはこれで素晴らしいもの。

おとわはんに言い付けに行くあたりは、
失恋の意趣返しというよりは悪戯の雰囲気が強く、それはそれで悪くない。

常吉はかなり手強く作られているのだが、少し違和感がある。
個人的にはこの人も稽古屋遊びに通う人であり、
遊びベースなのでは、という感覚が個人的にはある。
そこに次郎吉が焚き付けに来たことへの怒りと、
さらに訳の分からない話であるから
浄瑠璃の真似事的に強く言うようになっている、ということでは、と思う。
ネタの全体像からすれば、常吉をかっちりとした幹にするのは当然であり、
遊びベースの部分はあまり気にしなくても良いのかも知れないが。

後半、少し息切れした感じ。
正体を見顕した後、すぐにサゲへ向かっていったが、
やはりこの部分は、一度山が来て切れてしまう感じがするなあ。
どうしようもないので、開き直って突っ走るしかないかも知れないが。
# これまたどうでも良いことだが、
 常吉に化けた猫が「高貴な方に飼われた三毛を皮に張る」
 「表の皮は父の皮、裏側は母の皮」と言っているのだが、
 三毛猫のオス、しかも子ができるのって非常に珍しくないんだっけ?
 とんでもなく珍しいから効果があるのかも知れないが、
 一瞬違和感を持ってしまうから、敢えて「三毛猫」にする必要もないのでは、
 とも感じた。


「京の茶漬」(文華):△+

人が成長するに従い、どのようなものが笑いにつながるか、といったマクラからネタへ。

そもそも、個人的には好きなネタではない。
ウケ易いようにクサ目に表情を付けたり、
皮肉な言い方をかなり説明的にしたりして、分かりやすくしていた。
それはそれでウケていたのだが、
分かりやすくすることでウケをとろうとする位だったら、
別に「京の茶漬」をせずにもっと笑いやすいネタをやれば良いのに、と思ってしまう。

最近梅棹忠夫の本を読んで改めて思ったのだが、
閉鎖社会であり、全ての会話が社交辞令・型がある京都の、
その一つの型である「お茶漬でも」を皮肉るのがこのネタの味だろう。
特にそれ以外の「ケチである」といった要素を特に強く謗る必要もないかな、と感じる。
「鯛が新しい」の繰り返しも、
「お茶漬を出さないと申し訳ない」と思わせるための手段、
という程度の位置付けで良かろう。
そもそも「休日に、電車賃使って京都に来る」時点で経済合理性は全くない訳で、
損得ではなく、大阪人が京都人を弄って遊んでいる、というベースは
踏み外さない方が良いと思う。

細かい部分では、良いなあ、と感じる工夫も結構あった。
例えば「茶漬でも」と言うタイミングを
「履物履いたところ」にして引き返さないタイミングにする、
と言うのは自然で分かりやすいし、
最後、空であることをアピールするのに、
清水焼の茶碗を弾いて聞かせるのは良いと思う。
ただ、後者でその後「空やないとこんな音はしない」とまで言うなど、
やはり全体には押し過ぎと感じるところも多かった。


「茶屋迎い」(雀三郎):○-

「アルカリ落語」の思い出話からネタへ。

前半は「木乃伊取り」の趣向であり、
後半は「不孝者」になっている、というのが雀三郎の「茶屋迎い」。
個人的には、前半の趣向は「つかみ込み」では、と若干感じなくもないが、
「アルカリ」の頃で小佐田の手が入っている、と言うのであれば、
まあ、仕方ないかな、とも思う。
そこそこウケていたし。

権助の着物を借りて新町へ。
その道すがらの回想のあたり、
以前遊んでいた旦那が、枯れた中に微妙に芽が出てくる感じが良い。

座敷でのワチャワチャは、
権助の酒癖の説明が、昔に比べて長くなっていたように思う。
クドいかな、と思いつつ、
ここで座敷の浮かれた雰囲気が出せたので良かったのかも知れない。

下の布団部屋に通され、以前馴染んでいた芸者が入ってくる。
個人的には「8年ぶり」に違和感がある。
それは倅が産まれてから、ということであり、
まあ、遊んでいてもおかしくはないのだが、
やはり倅が生まれる前、自分が若旦那と呼ばれていたような頃、とする方が、
「一緒になろうと思っていた」こと、
或いは「焼け棒杭に火が付いた」感じが出て、良いと思う。
無論、あまり時間が経過すると顔が分からないだろう、
という問題もあって一長一短ではあるのだろうが。

思い出して語る旦那、それを「宜しいがな」と受ける芸者、
このあたりで年輪・人生経験を感じさせるのが素晴らしい。
それだけに、最後引き寄せての言い立てで噛んでしまったのは勿体ない。
コメント
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5月31日(木)のつぶやき

2012年06月01日 01時22分37秒 | つぶやき
04:03 from Twit for Windows
「先進国は、自己所有権や自由主義経済を他の国々より尊重しているために、豊かな生活が可能になっている」は疑問。最初から自由尊重で動き出すか、と、国家間競争の今日、後進国が自由主義経済を導入すると先進国が有利な状況での競争になってしまうのでは、と感じる。

04:19 from Twit for Windows
変な時間に起きたなあ。後でもう一眠りしよう。

04:53 from Twit for Windows
本名の一部を入れようとしている、って初めて気付いた。そこまでやっていたのか…。>bit.ly/KZNp6b 298話『ようこそ絶望先生』 - 久米田康治ワールド Wikiサイト

04:57 from Tweet Button
やはり田中との投げ合い、だったんだな。次は古巣ソフトバンク戦での登板希望。>時事ドットコム:「まさか自分が」-杉内の一問一答=プロ野球 jiji.com/jc/zc?k=201205…

06:43 from Twit for Windows
現代は「仕事をする人間よりも、なすべき仕事のほうが多い」時代なのだろうか。部分部分で見るとそうではないないが、効率化などの結果、トータルで見ると仕事をする人間が余っている状況なのかな、とも感じる。

07:32 from Tweet Button
時事ドットコム:トマトの全遺伝子、世界初解読=高品種開発に期待-かずさDNA研 jiji.com/jc/zc?k=201205…

08:15 from Tweet Button
彼らの考える「教育立国」とは何か。「伝統文化」を明治以後、と勝手に限定して、富国強兵策を日本の伝統と称するのはいい加減にやめろ、と思う。>時事ドットコム:「教育立国」で日本再生=国民新が新綱領、代表解任規定も jiji.com/jc/zc?k=201205…

08:31 from Twit for Windows
この批判は正論だわな。まあ、自民党の支持率が戻らない方が小沢にとって都合が良いだろうから、黙っていても良いとは思うが。>時事ドットコム:自民総裁を批判=小沢氏 jiji.com/jc/zc?k=201205…

09:09 from Twit for Windows
「最小限の社会保障はリバタリアニズムも認めるべき」は、総論としては同感。ただ、何が最小限か、や、その判断を誰がするのか、を考えると、国家による個人支配の余地が大きくなるのでは、というリバタリアンの危惧も理解できるなあ。難しいところか。

10:10 from gooBlog production
リバタリアニズム入門 blog.goo.ne.jp/kkmaru/e/11717…

10:41 RT from Keitai Web  [ 8 RT ]
問題の本質はセーフとかアウトとか判断してもらわなきゃいけないとこにあるんだけどね。 東京都青少年健全育成審議会が『ヨスガノソラ』の兄と妹の近親相姦シーンはセーフと判断! bit.ly/JPgt0E
ビリケンさんのツイート

11:04 from モバツイ
外出。蒸し暑い。今日も降るとなむ天気予報の言ひける。

11:38 RT from Keitai Web  [ 98 RT ]
重大な事故の事故調査というのは、何より再発防止を目的とすべきであり、関係者の責任追及をすべきではない。なぜなら責任追及を前提にすると真相が語られず、再発防止が図れないから。という考えはすでにずいぶん前から指摘されているのだが、知らない人も多そうだな。
モトケンさんのツイート

11:42 from モバツイ
目的志向が弱い、或いは再発防止を目的だと思っていない、さらには責任追究が目的だと思っているから、叩くだけの論調になる。或いは、原因は「悪い奴」の個人的な事情だ、と思っているから、そいつさえいなくなれば原因が除去されるから問題は発生しない、と思っている。

12:05 from モバツイ
教育課程、企業福祉、家族福祉、公的福祉からの排除、さらに「自己責任論」を被ることで発生する「自分自身からの排除」。意図的に排除させ、それを国家や政府への「帰依」に結び付けるのが権威主義的な手法か、と勘繰ったりして。

12:45 from モバツイ
「自由な選択が可能な状態にする」というあたりが、リバタリアニズムと社会保障の整合性の取り方か。無論前提条件がゼロにはなり得ないから、「文化的な最低限度の生活」のレベル、という辺りであり、それが例えば「週40時間仕事をして賃金を受ければ、生活できる」などかな。

12:51 from モバツイ
貧困とは選択肢が奪われていき、自由な選択ができなくなる状態、と後の方に書いてあった。前提の「自由な選択ができないか」に気付くかどうか、で非難するかしないかが変わるのか。

12:56 from モバツイ
「貧困に陥らないための十分な所得とは、個人の身体的な特徴や社会環境によって異なる」。完全に個別対応できる訳ではないし、するべきでもなかろうが、視野に入れておく必要はあるか。

13:03 from モバツイ
「溜め」。「すべり台社会」の途中で止まる手がかりのようなものか。これに助けられている、という意識すると、他人を「自己責任」として斬るのが天に唾するもの、と感じるか。自分自身に「自己責任」を求める精神姿勢が悪いとは思わんが。

13:34 from モバツイ
雇用者は資本家ではなく、資本家と労働者の板挟みとなる存在だった。またその時代に戻っておるのかなあ。

14:41 from モバツイ
「目的変数」と「説明変数」って聞いたことはあるが、というレベルだなあ。ブルーバックか何か、軽く見てみるか。

17:12 from モバツイ
外延情報の相互参照や系統的集約が行われ、人格権侵害にあたる可能性があるから、取扱いに慎重になる必要がある。Googleのプライバシーポリシー見直し、なんてこの問題か。

by kkmaru on Twitter
コメント (1)
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