そのうち削除するかも知れません(笑)
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社会保険労務士は「助成金」というものを扱っています。
(あまり扱わない社会保険労務士もいますが。)
そもそも、「助成金」とは何でしょうか。
これは、事業主が支払う雇用保険料を原資として、
国(厚生労働省)が事業主に対して支給するお金です。
事業主は雇用保険料として、従業員の給与の1.35%を国に払っています(業種によりますが)。
その内、0.35%部分がこの「助成金」の原資になります。
それではなぜ、国は「助成金」を支給するのでしょうか。
日本は自由主義の国であり、契約の自由や営業の自由が認められていますから、
国が事業主に対して何かやって欲しいとき、法律で強制できることには限りがあります。
例えば、国が「こんな人を雇用して欲しい」「こんな条件で雇用して欲しい」と思っても、
雇用契約書を持っていって事業主と従業員に「この契約書に捺印しろ」と言うことはできません。
そこで国は、
国がやって欲しいことをやってくれる事業主にお金を支給したり(アメ)、
やって欲しくないことをする事業主からお金を取り上げたり(ムチ)することで
間接的に事業主を強制しています。
この「アメ」にあたるのが助成金です。
つまり国がやって欲しいことをやるご褒美が「助成金」であり、
助成金を貰うことは国がやって欲しいと思っている方向に向かっている、
という一つの証なのです。
事業主にやって欲しいことは、
その時その時の経済情勢や雇用情勢によって異なります。
現在、国は事業主にどんなことをやって欲しいと思っているのでしょうか?
幾つかありますが、
その一つは「従業員に教育・訓練を実施して、成長させて欲しい」ということです。
大企業であれば自社で従業員に対して教育・訓練を実施し、
成長させることができます。
その従業員がより収益を上げ、大企業をより強くしていくことができます。
しかし中小企業や個人事業では、なかなか教育・訓練を実施する余裕がありません。
従業員の成長には時間がかかります。
そのため、若い従業員がなかなか収益を上げられません。
また、教育を受けられないこと、将来設計の不透明さからモチベーションが低下し、
退職してしまうことにもつながります。
国としては税収や社会保険料収入を確保したいですから、
従業員が成長して企業や個人事業の収益を上げること、法人税を納税することに貢献して欲しい、
そして長期間雇用されて給与が上がっていくことにより、所得税を納税して欲しい、と
考えています。
そのためにも「従業員に教育・訓練を実施して、成長させて欲しい」と考えているのです。
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