軽く書感なぞを。
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「浮世に言い忘れたこと」(三遊亭圓生)
最近小学館から出ている「P+D BOOKS」のラインナップ。
底本は1985年に旺文社から発刊された文庫、とのこと。
もしかすると、そちらを読んでいるかも、と思いつつ
購入して読んでみた。
内容は「人情浮世床」「寄席こしかた」「風狂の芸人たち」「本物の味」といった章立て。
長さや書きっぷりも違うので、
それぞれ何か違う雑誌か何かに連載していたものを集めたのかな、という印象。
ただ、いずれも圓生の「昔はこうだった」
「今となっては時代遅れかも知れないが、本物はこう」という声がよく伝わってくる。
芸人らしく、声高に主張する訳でもないが。
素人で落語をやる立場から(勿論、真似できるものでもないが)参考になる部分もけっこうある。
分割して稽古をする、というのは初めて読んだ気がするが、なるほどねえ。
「会社はいつ道を踏み外すのか」(田中周紀)
「経済事件10の深層」というサブタイトルがついている。
筆者は共同通信・テレビ朝日を経て、現在フリーの経済事件担当記者。
その筆者が記者やデスクとして関わった「事件」「問題」について
概要や経緯、或いはその後(あまり取り上げられていない)裁判で明らかになった
話などを紹介している。
一つ一つがコンパクトに纏められており、
当時の記憶も呼び起こされて興味深かった。
例えば山一の破綻、総会屋小池、ホリエモンなど。
最初の話が一昨年あたりの「東芝不正経理」で、
時あたかもWEの破たんやメイン事業の切り売りといった話の
問題の根が描かれている。
個々の人物を指弾するのみでなく、
捜査側や社会の問題点も指摘しているあたりも面白い。
「おわりに」で「事件(問題)を起こしやすい会社」の特徴を記しているが、
これは重複もあるし、そこまで参考にはならないかな、と感じた。
軽い読み物として、肩肘張らず読める本。