六月の雨が
魔法をかけて
ちいさな
蜘蛛の巣
さえも
耀きを放つ
宝石箱に
変えていた
ちいさな
ちいさな
旅の
出来事
とても
大切な
オンナトモダチも
また
旅に出る
と云ふ
荷物も
重かろう
ついていきたい
気もするけれど
彼女の旅は
彼女のモノでしか
なくて
ワタシは
行ってらっしゃい
を云ふコトで
精一杯だったけれど
きっと
おかえりなさい
と
戻った時に
笑顔で
云えるような
ふたりで
築き上げてきた
確信めいたモノを
彼女は
ワタシに
預けていって
くれた気がする
だから
動じず
旅の平安を
案じ
待っていようと
思う
彼女は
どんな
雨に遭うだろう
そして
どんな
雨上がりの
耀きを
見い出す
だろう
繊細ながらも
あんがい
タフな
蜘蛛の糸
みたいに
つよく
つよく
紡がれていく
旅の意味
旅の理由
ふたりが
また
出逢うコト