コトバ
が
ゴム毬のように
ぽんぽん弾み
彼方此方へ
何所彼処へ
転がっていた頃
其れは
驚くほど
生み出されていた
云うなれば
生み出すのが
愉しく
弾む様が
うれしくて
其れが
吾に返って来るコトなど
考える隙も無かった
いつしか
他者への問いが
ほんとうは
自身への問いだと
気付き始めた時に
弾む筈のコトバ球は
鉛のように
ずしり
ココロの中に
滞在する時間が増えていった
でも
何故かしら
其れは
自身の重心のような気もして
あぁ
ふらふら
ふわふわ
彷徨わずに済むのだと
不思議な安堵感をもたらしてくれた
心地好さ。
とは
何処までも行けるというコトでは無く
いま在るモノがしっくりくるというコトだ
最近のコトバ球
いつか孵る日を待ち侘びる
卵のように
其れは硬い殻に覆われつつも
すべすべひんやりつるんとしていて
中身は
云うなれば
希望に充ちた未来がぎっしり詰まっている
あぁ
まだまだ
そう
せめて
ふわふわの産毛に包まれる頃迄は
温めるコトに夢中になろう
其れは
きっと
放り投げたり
ぶつけたりする遊びじゃなくて
機が熟せば
ふわり
ワタシの空を飛び回る
そんな
心地好さ。
を
きっと
夢見て
いまは未だ
此処に
寝息を立てている筈だろう